東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
言語の研究と言えば、文法や意味の研究を思い浮かべる人が多いでしょう。確かに、言語は複雑な体系を持っており、文法や意味などの研究を通じて言語の体系性を明らかにする研究は、言語研究の一つの大きな柱です。言語の体系性に関する研究は、一つの言語を対象とする場合だけでなく、いくつかの言語、あるいは多数の言語を対象として、それらの言語間に見られる普遍性と多様性を明らかにしようとする研究もあります（言語の体系性と普遍性・多様性）。
さらに、言語はそれ自体が独立して存在するわけではなく、人間の社会・文化や心理・生理などとも密接に関連しながら存在しています。そのため、言語は様々な観点から研究されてきました。言語と社会・文化との関係（ことばと社会・文化）、言語と心理・生理との関係（ことばと心・脳）、言語と人間の成長や学習との関係（言語の獲得と喪失）、言語とコンピュータ・データ処理との関係（言語の処理と産出）など、様々な要素との関係が研究対象となっており、言語の科学的な研究、つまり言語科学の研究は極めて広い範囲にまたがっているのです。
言語情報科学専攻は、言語のこうした多様な側面に対して、多様な言語を専門とする教員が活発に研究を行っており、その包括性という点で、国内でも群を抜いて充実した研究体制を持っています。
