東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
人が母語を獲得できるのはなぜでしょうか。母語の獲得はどのようなメカニズムで実現するのでしょうか。また、母語を獲得したあとの外国語あるいは第二言語の習得のメカニズムはどのような性質のものであり、それは母語獲得のメカニズムとどのように異なるのでしょうか。二つ以上の言語を併用する環境では、人はどのようにしてその二つの言語の獲得(バイリンガリズム)を実現するのでしょうか。
このような、人による言語の獲得・習得の過程を解明する研究として、母語(第一言語)獲得論・第二言語習得論・バイリンガリズムの研究があります。このような言語獲得メカニズムに関する研究は、「失語症」などの言語喪失のメカニズムの解明に貢献することは言うまでもありません。
これらの獲得・習得研究は、母語獲得の過程にある人が産出した言語、あるいは、外国語・第二言語習得の過程にある人が産出した言語の分析に基づくさまざまな理論によって進められています。中でも言語習得研究成果の応用として外国語教育・第二言語教育の実践を捉え、外国語教育・第二言語教育の実践から第二言語習得研究へのフィードバックが与えられることから、第二言語習得研究は外国語教育や第二言語教育と切り離して考えることはできません。
言語情報科学専攻は、上記のような言語の獲得・習得に関わる理論と教育実践につながる具体的な研究の場を提供することを目指しています。