東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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「言語態・テクスト文化論コース」教員紹介

石田英敬

私の研究テーマは、「メディアの言語態研究」です。テレビや映画、ネットやケータイなどのデジタル・メディアの「メディア・テキスト」を対象に、メディア論や情報記号論といった新しい領域を開拓しながら、理論と分析の両方から研究に取り組んでいます。こうした研究は「デジタル・ヒューマニティーズ」と呼ばれる人文学の新しい潮流で、理論だけでなくIT技術をじっさいに応用して研究を進めます。人文学のしっかりした知識を基盤にして現代のメディア文化を理解したいと考えている人、大学で十分に教養を積んで将来は情報やメディアの世界で仕事をしていきたいという人の受講を歓迎します。

石原あえか

ドイツを代表する詩人ゲーテ(1749-1832)、特に彼と近代自然科学に関する研究が専門です。並行していわゆるゲーテ時代を中心とする近代科学技術や明治期における日独医学交流の歴史、またドイツ語圏の女性科学者などにも注目し、調査を進めています。手稿や公文書も含む一次文献を豊富に使う調査・分析手法が特徴のひとつです。文系・理系の枠にはまらず、文献を探したり、原書を読んだりするのを厭わない、意欲ある学生を期待します。

板津木綿子

20世紀前半のアメリカ文化史が専門です。また同時期の日米の文化交流史も勉強しています。近代産業社会における余暇の役割に関する言説を日米の知識人の論調や、映画を中心とした大衆文化を読み解くことで考えてます。また、政治イデオロギーと消費文化との交点で、特に捻れが生じた時のポリティックスについても関心を持っています。アメリカ大衆文化全般について研究してみたい方を歓迎します。

エリス俊子

一連のことばが「かたち」を成すところに立ち現れる「詩」は、様々な約束事で支えられている私たちの日常世界のあり方に、ささやかな、あるいは大胆な裂け目を切り開くことがある。

二十世紀前半の日本詩を中心に、日本の「近代」とモダニズムの問題について、また詩人たちが同時代の歴史状況とどのように格闘しながらことばを紡いでいったかについて、詩のテクストを読み進めながら考えています。詩を読んでみたい人、文学のことばと向き合ってみたい人、歓迎です。

大石和欣

近代イギリスの文学テクストを社会や歴史という動態の中においてとらえるのが私の研究です。ことばが言語態として発現する過程で内奥に織り込まれた時代精神、歴史の搖動、文化の潮流、民衆の喜怒哀楽、それらを生地(テクスト)の位相から紡ぎだそうとしています。現在進めている主な研究テーマは、18世紀から19世紀前半にかけてのチャリティの思想的系譜および女性と公共圏との関係性、19世紀末から20世紀前半にかけての建築の表象を、言語態として捕捉することです。

郷原佳以

言語の物質性と、言語から立ち上がる想像的世界との逆説的な関係性に関心があり、文芸評論家・小説家モーリス・ブランショを中心とした19-20世紀フランスにおける文学言語論の分析を主な研究テーマとしています。とはいえ、文学言語を日常言語から切り離すことが目的なのではなく、むしろ、文学言語を、日常言語をも含む言語の本質を指し示すものとして、さらには、視覚芸術等の他領域にも通底する「イメージ」の探求として捉えています。したがって、読解対象は狭義の仏文学には限られません。また、硬直した哲学的図式が文学的テクスト分析によっていかに脱構築されるかにも関心があり、ジャック・デリダの著作の読解を続けています。近年は、レトリック、とりわけ比喩形象(フィギュール)をめぐる諸問題と言語思想との関係にも関心を抱いています。

小林宜子

中世後期およびテューダー朝の英詩がおもな研究対象です。これらの時代の詩人たちが、古典古代や同時代のヨーロッパ文学から詩句やモティーフ、修辞的技法や意匠を借用しながら己の生きる社会への洞察や批判、憂慮を巧みに言語化していった過程を分析しています。12~16世紀のイングランドにおける文学と政治哲学、文学と法との関係を探ることも現在抱えているテーマのひとつです。「英文学史」の伝統が意図的に創出された宗教改革期の文献の読みを通じて、「英文学」や「英文学史」といった概念そのものを批判的に考察することにも関心があります。

小森陽一

私の研究対象は日本の近現代文学です。明治では二葉亭四迷、森鴎外、夏目漱石、樋口一葉、大正では芥川龍之介、有島武郎、昭和では宮沢賢治、太宰治、中島敦、戦後文学では大江健三郎などを論じてきました。日本語の文学テクストを分析的に精読する理論的枠組と、実践的な分析方法をあわせて身につけてもらえるような授業を実現していきたいと考えています。また文学テクストを同時代の活字メディア全体の中でとらえ直し、政治や社会問題、とりわけ戦争をめぐる新聞や雑誌の報道や記事との関係において位置づけ直す試みを通じて歴史認識を組みかえていきたいと思っています。

武田将明

デフォー『ロビンソン・クルーソー』やスウィフト『ガリヴァー旅行記』など、十八世紀の英国小説を中心に研究しています。文学と国家の関係や、近代小説の発生と発展の世界史的な意味を考えています。近年は、大江健三郎から平野啓一郎、舞城王太郎、川上未映子、中原昌也など日本の現代小説に関する評論も発表しています。授業で主に教えるのは英語圏の小説と批評理論ですが、地域に囚われることなく小説とは何か、近代以降の文化とは何かという問題を深く考える学生も歓迎します。

竹峰義和

専門は、現代ドイツ思想史、映像文化論。フランクフルト学派の思想家(とりわけTh. W. アドルノとA. クルーゲ)の映像メディアをめぐる理論と実践について考察する作業を軸に、近現代のドイツ思想を研究しています。授業・演習では、これまで、「ヴァイマル時代のドイツ映画」「映像とプロパガンダ」「ドイツの文学理論」などのテーマを扱ってきました。ドイツ語圏の思想や文学、文化に興味がある方はもちろん、メディアとしての映画やサブカルチャー全般について研究してみたいという方を歓迎します。

田尻芳樹

私の専門はイギリス文学で、特に20世紀初めの文学、芸術の革新的な動きである「モダニズム」に関心があります。また、その「モダニズム」の流れの中で20世紀の小説と演劇の双方に革命をもたらしたサミュエル・ベケットとその周辺を研究の中心にしてきました。その他、南アフリカのノーベル賞作家J.M.クッツェーを初めとする現代の英語圏小説や、批評理論も守備範囲にしています。結局のところ、存在とは何か、言語とは何か、といった根源的な問いを発している文学が好みです。

月脚達彦

専門は朝鮮近代史。19世紀後半から20世紀前半の朝鮮の思想史を、歴史学の立場から研究しています。植民地とナショナリズムの問題が目下の研究テーマです。授業では、現代の正書法が確立する前の古い文体で書かれた韓国朝鮮語のテクストを精読しながら、東アジアにおける朝鮮の「近代」を考えていきます。韓国朝鮮の社会と文化について、歴史的な研究を志す学生の受講を歓迎します。

品田悦一

十数年前から、近代における古典享受の枠組みを洗い直す作業に着手し、その成果を『万葉集の発明』にまとめた。その後、個別の事例を掘り下げる作業を進め、一昨年『斎藤茂吉』を公刊した。茂吉は偉大な歌人である以上に、近代日本人の一典型なのだと思い知った。

『万葉集』、短歌、古典……古臭い分野と思われるかもしれないが、決してそんなことはない。意外な通路であなたともちゃっかり繋がっている。嘘だと思うなら試しに学んでみるがいい。

西中村浩

ロシア文化とロシア文学、とりわけ20世紀はじめから1930年代にかけてのロシア小説を専門としています。また、19世紀のロシア思想とロシア革命前後に現れたさまざまな思想、そして全体主義思想・文化との関係についても興味を持っています。日本でよく知られている19世紀のロシア文学だけではなく、20世紀ロシア・ソヴィエトの文学や思想、あるいはフォルマリズムやバフチンなどのロシアの文学理論に関心のある学生諸君は大歓迎です。

日向太郎

私の専門は西洋古典学であり、とくに研究の中心は、ラテン語の韻文です。さらに、ラテン文学は長い受容の歴史があるので、ウェルギリウスやオウィディウスなどのローマの詩人が後代の作家、とりわけイタリアの作家に及ぼした影響についても関心があります。最近の授業でも、西洋文学における古典の伝統について扱っています。ギリシャ・ローマの言語文化やイタリア文学に興味を持っている人の研究を手助けできればと思っています。

ペティート,ジョシュア

専門は日本近代文学ですが、ハーマン・メルヴィル(特に『モビー・ディック』)の日本における受容と翻訳史を研究しているため、アンテベラム期のアメリカ文学にも関心があります。批評理論としては翻訳論をはじめ、美学のイデオロギーの関係性や風景論に手を染めています。

星埜守之

研究分野:1)シュルレアリスム:20世紀前半のフランスで生まれたシュルレアリスムは、詩人、画家、彫刻家、写真家など、多彩な表現者を巻き込んだ精神の冒険と言われています。このシュルレアリスムを、同時代の様々な思潮などとも結びつけながら研究しています。2)フランス本土以外の地域から発信されるフランス語文学の研究。カリブ海(マルチニックなど)、太平洋地域(ニューカレドニアなど)の新しい文学に関心があります。 趣味:ポピュラー音楽(ロック、ジャズ、ソウルなど)を聴くこと。お酒(?)。

山田広昭

狭義の専門はフランス近代文学(とくにポール・ヴァレリー)ですが、浮気性(?)のためかドイツや日本の思想家にも手を出してきました。その背景には文学や芸術の政治的機能に対する関心があります。批評の方法論としては、物語論(ナラトロジー)および精神分析批評に比較的深くコミットしており、授業でもそれらをとりあげることが多くなっています。

山本史郎

私が関心をもっている分野はイギリスの19・20世紀の文学と文化、シェイクスピア、アーサー王伝説、イギリス海軍の歴史、トールキン、サトクリフなどを中心とするイギリスの児童文学、高等学校や大学における英語教育、文学研究におけるコンピュータ使用などです。翻訳論及び翻訳の実践にも興味があります。

イギリスの19・20世紀の小説家(とくにディケンズ、エリオット、グリーン、マードック、ファウルズ等)研究、及び翻訳研究は指導できます。

吉国浩哉

19世紀のアメリカの文学、とくに「アメリカン・ルネサンス」と呼ばれている時期の作家たちについて研究しています。具体的な名前を挙げれば、エドガー・アラン・ポー、ハーマン・メルヴィル、ナサニエル・ホーソーン、ラルフ・ウォルド・エマソン、ヘンリー・デヴィッド・ソローなどです。それに加えて、彼らの書いた時代に先行するヨーロッパでの思想文化運動(啓蒙思想、ドイツ観念論やロマン主義など)との関連についても考察を試みています。そのほか、現代アメリカのテレビドラマにも関心があります。