東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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TEL: 03-5454-6376

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言語態・テクスト文化論コースについて

2020年度度言語態・テクスト文化論コースの進学ガイダンス

2020年度言語態・テクスト文化論コースの進学ガイダンスは、オンラインで行います。本コースのガイダンスは事前登録不要です。

コース紹介資料, 教員紹介, ブックガイドをお読みください。

コース紹介

 二十世紀以降,文化と社会の分析において言語の問題の重要性が強く意識されるようになっています。本コースでは,言語の問題を根幹にすえて文化事象を捉えなおす立場(テクスト文化論)から,文学作品をはじめとする様々なテクストが,社会でいかに受容され,時代とともに変化するのかを批評的に検証します。その際,複数の文化間で恒常的に生じている横断や交錯を念頭におきながら,その現れのさまざまな様態(言語態)に注目します。

 このような研究を体系的に進めるために,本コースでは「文化横断論」,「批評理論」,「メディアとしての言語研究」の学習を軸にカリキュラムを組んでいます。

 「文化横断論」とは,ナショナルな壁にとらわれることなく,言語と文化の交錯,交流,相互的変容のさまざまな姿を探求するものです。本コースには,日本語,英語,ドイツ語,フランス語,ロシア語,イタリア語さらには西洋古典語による文学を研究するスタッフがおり,様々な言語圏の文学・文化を学習できます。従来の文学研究は一つの国家や言語に自足しがちでしたが,本コースは「世界文学」の視座,すなわち脱領域的で複眼的な視座から,さまざまな文化・時代・言語によって織りなされるネットワークとして,また複数の文化の遭遇と対話の場として「文学」というシステムを捉えなおすことを目指しています。よって,文学・文化が複数の言語圏に流通するのに不可欠な「翻訳」という営みを理論的・実践的に研究することも,本コースの学習に含まれます。なお,本コースにおける文化横断論的研究は近代文学・文化のみを射程とするものではなく,例えば古代ローマにおけるギリシア文学の受容や,中世西欧世界における西洋古典文学の影響なども,本コースが目指す言語態研究の重要な一面を成しています。

 さらに,本コースでは,文化テクストの分析を実りあるものとするために「批評理論」の学習を行い,その実践的なトレーニングをカリキュラムに組み込んでいます。ナラトロジーなど狭義のテクスト分析の理論のほか,精神分析理論,フェミニズム理論,ポストコロニアル研究などの最新の成果を学ぶことが可能です。「批評理論」は文学テクストの分析にしばしば用いられますが,それは「文学」が人間の言語的構築物のなかでもっとも複雑で,もっとも豊かなものの一つだからです。そこで得られた知見は当然,「文学」を越えて拡張することができます。文化研究の発達した今日,批評理論は文学や思想の分析にとどまらず,映画やサブカルチャーなど他の文化的言説はもちろんのこと,社会的,政治的,さらには経済的な言説をも視野に含むものとなっています。

 上記のような多様な言説を分析する際,「メディアとしての言語研究」が重要になります。具体的には,写本から印刷本を経て電子書籍へと至る書物の歴史が言語環境に与えた影響を考えたり,ジャーナリズムの発達と小説の勃興の関連を解き明かしたりすることです。言葉が流通し,消費される現場に注目することで,特定のジャンルにとらわれない言語態研究が可能になるでしょう。

 以上のように,言語態研究の間口は広く,またそれが対象として扱う領域も多様です。本コースでは,言語と文化にかかわる様々なテクストを取り上げ,それをじっくりと,また多角的に読む機会を提供します。ナショナルな枠組みや言語と時代の区分を越えて多くのテクストに出会い,それをさらに新たなテクストに接続させて,文学,文化の生成する現場に参入しつつ,そこで働いている様々な力や価値観を批評的に分析することで,学生一人一人が言語・文化・人間のかかわりについて知見を深め,新たな認識の地平を切り開いていくことを期待しています。

 本コースは,教養学科超域文化科学分科を構成する7コースのうちの一つで,旧言語情報科学分科のうち言語態研究を専門とするスタッフによって創設された新コースです。言語態研究はまだ新しい学問ですから,ともに新しい人文科学を切り開いていく意欲にあふれた学生を大いに歓迎します。

 なお,卒業後の進路については,大学院(言語情報科学専攻)に進んでさらに研究を深めること,あるいは出版,報道機関等のマスメディア,広告,国際交流関係,官公庁,教職をはじめとした,多様な職種に就職することが考えられます。

 なお、本コースではFacebook, Twitterを通じて交流を図っています。奮ってご覧ください。
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フェルディナン・ド・ソシュール,「言語の二重の本質」,Archives de Saussure 372,© ジュネーヴ図書館蔵