東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1

TEL: 03-5454-6376

FAX: 03-5454-4329

学際言語科学コースについて

コースの概要

言語は、人の知的活動の根幹を成すもので、人と他の生物とを分ける大きな特徴の一つです。したがって、言語の本質の探究は、すなわち人間の本質の探究であることに間違いなく、ヒトが人であることの意味を問うにあたって、言語についての科学的理解は欠かすことのできないものと言えます。そこで、本コースでは、言語の構造と機能に様々な側面から光をあてつつ、統合的な人間理解をめざす視点からその本質に迫ることを目指した研究・教育を行います。

* 2020年度学際言語科学コースの進学ガイダンスは、オンラインで行います。詳細は、2020年度進学ガイダンス資料をお読みください。

コースの特徴

コースの教育プログラムの大きな特徴として、以下の二点を挙げることができるでしょう。

言語横断的視座
欧米及びアジアの主要言語を専門とする教授陣のもと、研究対象の個別言語を深く理解すると同時に、異なる性質をもつ諸言語との比較対象が可能な環境で、言語の多様性とその背後にある普遍性とを捉えようとする視座を育てます。
学際的アプローチ
人間社会の中における営みとして言語使用を扱う人文・社会科学的アプローチから、ヒトの言語使用を脳の働きや計算機の言語処理との関係で捉える自然科学的・工学的アプローチまで、様々な視点から言語を科学的に見据える姿勢を育てます。方法論も、実験系、理論系、フィールドワーク系などに及びます。

こうした横断的視座・学際的アプローチを実践するため、本コースでは、2つ以上の実践的な外国語の能力を養い、マルチリンガルな発信型の外国語能力を身につけると同時に、メディアリテラシーをも身につけ、言語への理解を軸に、現代の多元的言語生活、文化複合状況の中を生きる力を涵養します。

指導体制と連携

教育と研究指導は、主に大学院総合文化研究科の言語情報科学専攻と連携しつつ、コースのカリキュラムに沿って行われる教室での教育と、教員による個人指導の二本立てできめこまやかに行われます。また、教養学部全体において、学際言語科学コースは教養学科内の超域文化科学分科の中に位置づけられ、同分科の現代思想、文化人類学、言語態・言語文化論などの隣接コースと密接な関係をもち、人間文化の基層を理解しつつ、その理解の中に人間がことばを持つことの意味を位置づけて行く作業を実践してゆきます。さらに、教養学科の枠を超え、21世紀COEプログラム「心とことば--進化認知科学的展開」の成果を引き継ぐ進化認知科学研究センターと共同で、進化認知科学研究サブプログラムを提供することも予定しており、いわば、領域横断的学際性という教養学科および超域文化科学分科の理念を、「ことば」を軸に具現化するコースであると言えます。

進路

卒業生の進路としては、メディア・情報産業やマスコミ関係、官公庁、商社、教育機関などが想定されます。また、さらに研究を深めたい学生には、大学院総合文化研究科に言語情報科学専攻が設けられています。

Q&A

本郷キャンパスにも、文学部言語文化学科に言語学関連諸研究室がありますが、これらとどのように違うのでしょうか?

1つには、ファカルティの大きさ(人数)が違います。こちらは人数が多く、コース内の教員に、人文科学的アプローチに加え、工学的アプローチ・脳科学的アプローチ・社会科学的アプローチなど多様な方法論を実践するメンバーがいますし、上述のように超域文化科学学科内外の他コース・サブプログラムとの密接な関係の上に立った教育を行うため、学際的アプローチが現実的なものになるのだと思います。しかしまあ、言語科学はどこでやっても学際的な学問であることに変わりはありませんが。

研究対象となる言語は何でもいいのですか?

ええ、何でも可能です。でも、本郷との関連でいえば、ある程度の傾向の違いはありますね。たとえば、文学部では英語英文学研究室では英語、中国語中国文学研究室では中国語、というように特定言語を対象とする態勢をとっているのに対して、本コースは特定の言語に特化しない点が大きく異なります。言語学研究室も同様に対象を特化しない形をとっていますが、指導可能な対象言語が世界中の様々な言語、特に、研究・記述の進んでいない言語や消滅の危機にある言語などをも幅広く含むのに対して、本コースでは、基本的な記述が既に完成しているような欧米・アジアのいわゆる「主要言語」が中心になるかもしれません。しかし、これはあくまで傾向で、好きなところで好きな言語をやればいいと思いますよ。

このコースが教養学部内でほかのコースやセンターと連携があるのはわかったのですが、本郷とは連携はないのですか?

ありますとも。本郷の関連研究室とは教育上の協力関係を築いていて、実は仲がいいんですよ。ファカルティーレベルでも、駒場の教員があちらで授業をしたり、本郷の教員がこちらで授業したりして、本郷でも駒場でも、双方の学生が同じ授業を受講しています。また、主に大学院レベルですが、学部生も含めた駒場・本郷の合同の研究会が、原則として月一回開催されていて、学生同士の交流も盛んです。合同のメーリングリストもあって、互いに情報交換をし合っています。なので、大事なのはどこでやるかではなく、最終的には、どんな先生たちとどんなカリキュラムのもとで何をやりたいのか(をはっきりさせていくこと)、だと思います。