第二言語習得における視点干渉−主語と動詞の立て方をめぐって−

博士課程  金 慶珠
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シンポジウム:第1回 「様々な言語における外国語教育」
−韓国語−
博士課程  金 慶珠
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シンポジウム:第2回 「様々な言語における外国語教育」
−韓国語−
博士課程  金 慶珠
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日韓両言語の視点表現−対照研究の方法と課題−

FLTA OG 金 慶珠
【発表要旨】
一般的に「視点」とは、話者が目撃する状況の中から、何に注目し、それをどのように言語化するのかを意味する「出来事のとらえ方」として広く用いられる用語である。従来の日本語教育をはじめとする実証分析の事例研究においては、日本語の談話構成における「受身の使用頻度」や「主語の一貫性」の傾向が、異なる言語話者や学習者よりも相対的に著しいという特徴を指摘しながらも、そうした日本語の表層構造上の傾向を直に話者の視点の傾向であると解釈することによって、談話構成における「視点の一貫性」そのものに言語の相違による差が存在するという暫定的結論が導き出されている。
こうした中、本研究では、「発話の表層構造」という分析基準は「話者の視点」を反映する一つの要素に過ぎないという観点から、新たに<注視点>と<視座>という視点の構成要素を基準に、日本語と韓国語の話者および学習者の談話構成における「視点の設定法とその表現選択あり方」を比較対照した。その結果、日本語話者(JJ)および韓国語話者(KK)の視点の設定法における相違として、<視座>と<注視点>の重複の度合に差があり、日本語話者は「<視座>を文の主語に設定する傾向」が相対的に高い反面、KKにおける話者の<視座>は「主語以外の文内または文外要素(関与者)」に設定する傾向が高いことを明らかにした。
さらに、第二言語習得の観点から、学習者の視点設定における傾向が、母語からの転移として解釈され得るのかについて検証を行うため、韓国人日本語学習者(KJ)および日本人韓国語学習者(JK)に対する事例分析を行った。その結果、KJとKKの間には<注視点>の設定における、いわゆる[行為主体]主語の多用は、初級の学習者に共通する中間言語固有の現象であることが認められると共に、<視座>の設定においては、学習者の熟達度の程度が高いほど、それぞれの母語と類似した設定傾向を呈することから、一定の転移が認められるとの解釈を得た。
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