東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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言語態研究演習 (近代日本の文芸批評)

  • 科目コード: 08C1603
  • 開講学期: S1S2
  • 曜限: 金曜3限 Fri 3rd
  • 教室: 駒場8号館 8-206
  • 単位数: 2
  • 担当教員: 武田 将明

授業の目標・概要

文芸批評が事実上消滅した現代だからこそ、明治から現代までの日本語で書かれた文芸批評を読み直し、受講者と共にその意義を追究してみたい。 一貫して問われるのは、次の3つの点である。
1.(文芸)批評とは何か。それは何の役に立つのか。
2.「日本(語)的」批評はあるのか。あるならば、それは如何なるものか。
3.文芸批評は「近代」の産物だったのか。であれば、現代において文芸批評は無用か。あるいは、文芸批評に必要なアップデートを施せば、その存続(蘇生、転生?)は可能なのか。

授業のキーワード

  • 文芸批評、近代文学、日本文学
  • literary criticism
  • modern literature
  • Japanese literature
  • 日本語

授業計画

初回はイントロダクション:批評とは何か? 2回目から最終回の前まで、次の書き手(敬称略)の文芸批評を読む。毎回少なくとも50ページは読むことになる。
1.坪内逍遥、二葉亭四迷、森鷗外、夏目漱石
2.小林秀雄
3.中野重治、宮本顕治
4.保田與重郎、坂口安吾
5.吉田健一、花田清輝
6.江藤淳
7.柄谷行人
8.蓮實重彦
9.東浩紀、鎌田哲哉
10.水村美苗、竹村和子、斎藤美奈子 最終回は、「授業の目標、概要」にある問いを中心に全員で討議をおこなう。

授業の方法

最初と最後の回を除き、最初に特定の受講者がテクストについて考察を発表し、次いでその発表を元に、受講者全員で当該テクストの意義を検討する。扱うテクストはいずれも「古典」と見なしうるものだが、現代の視点から見れば、批判的に読まねばならないものもあれば、改めて評価すべき ものもあるだろう。先入観なく、また講師も含む他人の意見に忖度することなく、近代日本の文芸批評の意義について、意見を交わしたい。

成績評価方法

授業への貢献(20%)
授業時の発表(40%)
期末レポート(40%)
期末レポートは、「授業の目標、概要」にある問いのいずれかについて、日本語で4000字以上書いてもらう予定。

教科書

特になし。テクストは基本的にitc-lmsを用いて事前配布する。

参考書

初回授業で指示する。

履修上の注意

批評テクストの精読が重要である。毎回、論じるテクストについて何らかの意見を表明できるよう、準備と心構えをしておくこと。