東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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武田 将明 / Takeda Masaaki (教授)

専門分野

18世紀イギリス小説。これまでデフォー『ロビンソン・クルーソー』(1719)、スウィフト『ガリヴァー旅行記』(1726)を中心に、18世紀初期の社会状況と重ね合わせる形で、この時期に散文フィクションに生じた変化を考察してきた。最近は、18世紀初期のイギリス小説がフランスなどヨーロッパ大陸の小説とどのような関係にあったのかを検討している。

業績

著書

  • 日本ジョンソン協会編 『十八世紀イギリス文学研究2』 開拓社、2002年(「植民地帝国の創出――デフォーとイングランド・スコットランド合同」を執筆)
  • 木下卓、清水明編『もっと知りたい名作の世界「ガリヴァー旅行記」』 ミネルヴァ書房、2006年(「フウイヌムと差異のない世界――『ガリヴァー旅行記』第四篇におけるエクリチュールの問題と近代批判」を執筆)
  • 日本ジョンソン協会編 『十八世紀イギリス文学研究4』 開拓社、2010年(「Eliza Haywoodの翻訳―模倣と創造」を執筆)

論文

  • 「煙草と聖書――『ロビンソン・クルーソー』における欲望の問題」 Module Archive Site (http://www.eris.ais.ne.jp/~fralippo/module/index.html)、2003年8月~2004年4月分載
  • “‘These Men against Arbitrary Power Are the Most Absolute in Their Families’: Patriarchal Challenge to Daniel Defoe.” 『英文学研究』第81巻、2005年1月
  • “‘Divided Hearts, United States’: Daniel Defoe, James Hodges, and the Debate on the Anglo-Scottish Union.” Poetica. 第68号、2007年12月
  • 「新しいブーツとすり切れた批評――現代イギリス小説における資本と倫理」 『ユリイカ』2008年3月号
  • 「囲われない批評――東浩紀と中原昌也」 『群像』2008年6月号
  • 「仮構される内発性と近代文学―漱石の十八世紀英国文学論を読み返す」 『英語青年』2008年9月号
  • 「タナトスからの脱出(エクソダス)――現代小説の死と倫理」 『群像』2009年4月号
  • 「海外文学最前線(イギリスおよび英語圏):前線消滅後の光景」 『群像』2009年5月号
  • 「シミュラークルと変容の詩学――シェリー『生の勝利』を読む」 『表象』第3号、2009年4月
  • 「美しい物語とただの美しさ――『1Q84』と『ヘヴン』を通じて見る世界」『早稲田文学』第3号、2010年1月

翻訳

  • ジャイルズ・フォーデン『スコットランドの黒い王様』(映画『ラストキング・オブ・スコットランド』の原作)新潮社、1999年
  • S・カルプ編、中川久定、増田真監訳『十八世紀研究者の仕事――知的自伝』(デイヴィッド・スミス「青い畑からオリーブの園へ」、ロバート・ダーントンへのインタヴュー「歴史、文化人類学、ジャーナリズム」を担当)法政大学出版局、2008年
  • サミュエル・ジョンソン、小林章夫監訳『イギリス詩人伝』(「ジョン・ドライデン」を担当)筑摩書房、2009年

国際シンポジウム

  • “‘Divided Hearts, United States’: Daniel Defoe, James Hodges, and the Debate on the Anglo-Scottish Union.” 学会Union and Cultural Identities in Eighteenth-Century Scotland(2002年7月5日)、エディンバラ大学オールド・コレッジ
  • 「イギリス小説はどのようにして成立したか」(冨山太佳夫、服部典之、志度岡理恵とのシンポジウム) 日本英文学会第77回全国大会(2005年5月21日)、日本大学文理学部
  • The First German-Japanese Conference on Jonathan Swift. 2005年10月29日~30日(渡邊孔二、原田範行と共催)、シンポジウム司会、島田雅彦による講演の司会・通訳
  • 「コモン・リーダーは復権できるか――文芸批評と作品論」(齋藤衞、清水徹郎、岩田美喜とのシンポジウム) 日本英文学会第81回大会(2009年5月30日)、東京大学駒場キャンパス

その他の業績

  • 「海外新潮」 『英語青年』2004年5月号~2005年3月号(隔月)
  • 「新人小説月評」 『文學界』2006年2月号~7月号
  • 文庫版解説 イアン・マキューアン、小山太一訳『贖罪(下)』 新潮文庫、2008年
  • 文庫版解説 平野啓一郎『あなたが、いなかった、あなた』 新潮文庫、2009年

受賞

  • 第27回日本英文学会新人賞佳作(日本英文学会、2005年)
  • 第51回群像新人文学賞評論部門(講談社、2008年)