東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
ゲーテの晩年を知る上で、見過ごせない著作と言えば、エッカーマンがゲーテの死後まとめ、刊行した『ゲーテとの対話』である。だが、今日の私達の〈ゲーテ像〉を作り上げた著者の生涯については、案外知られていない。一体どんな経緯でエッカーマンは老詩人ゲーテと知り合い、『ゲーテとの対話』をまとめることになったのか? また老詩人亡き後、どんな生涯を送ったのか? ゲーテ本人ではなく、ゲーテのために生きた人物に注目してみたい。
まず、ゲーテとエッカーマンの関係について簡単な導入をした後、エッカーマンに関する最近の伝記を原文で読み進める。ドイツ語文献講読演習を兼ねて、テクストを読みながら、適宜文学史的解説を加えていく。
演習形式で行う。共通のドイツ語テクストを履修者全員が読解・分析・議論する。
授業への積極性および学期末にはレポートを課す予定。詳細は授業内で説明する。
Dietzel, Bernd: Eckermann. Ein Leben für Goethe. Berlin (Edition A. B. Fischer) 2014(*プリントで対応します)
エッカーマン『ゲーテとの対話』(岩波文庫などから複数刊行) その他、授業中に適宜紹介する。
ドイツ語原書テクストを読むので、履修者はドイツ語中級以上の能力を持つ者に限る。毎回、原文を読み込む予習が必要になるので、それを了解した上での履修が前提条件。