東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1

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情報記号分析II (文学における語りの声について)

  • 科目コード(修士): 31M200-0300S
  • 科目コード(博士): 31D200-0300S
  • 開講学期: S1S2
  • 曜限: 火曜2限 Tue 2nd
  • 教室: 駒場8号館 8-113
  • 単位数: 2
  • 担当教員: 郷原 佳以

授業の目標・概要

文学作品において聞こえてくる声とはどのようなものか、「語り手」は存在するのか、文学作品にしかない言語(語り)はあるのか、あるとすればそれはいかなるものか、といった、なかなか解決の出ない問いについて、いくつかの文献を読んで考えてみたい。

授業のキーワード

  • 語りの声、語り手、人称、非人称、自由間接話法
  • narrative voice
  • person
  • impersonal
  • free indirect speech

授業計画

ブランショ「語りの声――「彼」、中性的なもの」等を参照して問題の所在を確認した後、バンヴェニスト、バルト、ジュネットらにおけるこの問題への取り組みを概観する。その上で、文学において「語り手」は存在しないと主張し、文学言語に特殊な表現としての自由間接話法に注目した、Ann Bannfield, Unspeakable Sentencesを集中的に読解することを考えている。

授業の方法

教員によるイントロダクションの後、文献を読み、議論する。文献は前もって担当を決め、担当者は担当範囲を要約しながら提示し、コメントを付す。

成績評価方法

報告および期末レポート。

教科書

Ann Bannfield, Unspeakable Sentences, Routledge, 1982

参考書

モーリス
・ブランショ『終わりなき対話』第3巻、筑摩書房、2017年。 エミール
・バンヴェニスト『一般言語学の諸問題』みすず書房、1983年。 ケーテ
・ハンブルガー『文学の論理』松籟社、1986年。 ロラン
・バルト『物語の構造分析序説』みすず書房、1978年。 ジェラール
・ジュネット『物語の詩学』水声社、1985年。 橋本陽介『ナラトロジー入門』水声社、2014年。 他は開講時に指示する。

履修上の注意

上記は予定であり、また、受講者の顔触れも考慮するので、第1回に出ること。