ドイツを代表する詩人ゲーテ(1749-1832)の天文事象が出てくる韻文を中心に原文講読し、その読み方の可能性を探る。もっともゲーテは日本で考えられている詩人という範疇にとどまらず、自然研究者であり、晩年はイェーナ大学附属天文台監督官なども務めている。その経験が、どのように彼の文学作品に受容・反映されているのか、考えてみる必要があるだろう。本授業では、ドイツ語読解力の向上とともに、複数の『ゲーテ全集』の使い方や註の読み方といった文献学の基礎およびゲーテ作品を理解するうえで必須の伝記的およびドイツ文学に関する知識の獲得も目標とする。
毎回、指定されたドイツ語原文テクストをいかに解釈し、日本語に翻訳できるか検討する。その際、複数の信頼できるドイツ語の『ゲーテ全集』(FA, MAほか)を使い、テクスト原文と註なども比較検討しながら、さまざまな側面からテクストへのアプローチを試みる。ドイツ特有の「髭文字Fraktur」で書かれた文章の解読練習やゲーテと同時代人または後世の作曲家による付曲聴き比べなども採りいれたいと考えている。
演習形式で行う。共通のドイツ語テクストを履修者全員が読解・分析・議論する。
授業への積極性(予習準備や授業内の小レポート含む)および学期末には論述試験またはレポートを課す予定。詳細は授業内で説明する。
主にMathias Mayer編集のドイツ語書籍"Goethes Monde: Gedichte und Zeichnungen" Berlin, Insel-Buecherlei Nr.1351 (2012)を使用する予定。他にも複数のゲーテ全集や参考文献を併用予定。最初はプリント配布で対応、詳しくは授業中に説明する。
授業中に適宜紹介する。
19世紀のドイツ語原書テクストを読むので、履修者はドイツ語中級以上の能力を持つ者に限る。毎回、相当量の原文を読み込む予習が必要になるので、それを了解した上での履修が前提条件。履修希望者は初回授業に出席すること。