東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
文学研究において「身体論」や「身体史」はよく扱われるようになったが、私達が文学テクストを読むとき、その作家と違った身体感覚を持っている可能性があることをどのくらい意識しているだろうか?作品の背景にある現代の私達とは全く異なる平均寿命・衛生概念・疾病に関する知識を意識したとき、どのくらい作品解釈は変わるだろうか?教科書を精読しつつ、明治時代の文学と医学の相互関係を明らかにし、作品解釈の新しい可能性を探りたい。
まず立川昭二の『明治医事往来』(全11章)を精読し、各章のテーマについて議論・検討を行う。同時にレジュメやプロトコルの作り方などを学ぶ。その後、受講者各自がこの著作に挙げられている作家・作品から研究テーマを選び、発表・討論をを行う。
基本的に演習形式をとる。あらかじめ担当者・発表者を決めておき、その発表をもとに受講者全員で検討・議論を行う。
授業への積極性(小レポート、発表等含む)および学期末筆記試験。詳細は授業内で説明する。
立川昭二著『明治医事往来』(講談社学術文庫 2205)2013年。
必要な参考文献は、授業中に適宜紹介する。
履修希望者は初回授業に必ず出席すること。
受講者はぜひ東京・丸の内JPタワー内「インターメディアテク」の特別展示『東大醫學―蘭方医学からドイツ近代医学へ』(2014.03.19-2014.05.11予定)を見学して下さい。