東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
朝鮮半島とりわけ韓国の「文化」に対する関心は日々強まっている。しかし、韓国における対日文化開放が内政・外交的な性格をも合わせ持っていたことからもわかるように、「文化」に対する理解は、そのコンテンツへの理解のみならず、それが存在する政治的脈絡をも合わせて検討する必要がある。本講義では、近代朝鮮の「文化」と政治をめぐる諸問題について、いくつかの観点から整理し、概観することで、現代の「文化」と政治について理解する手がかりを得たい。
概ね以下のようなテーマを扱う(順不同)。
・論点の提示
・近年の近代朝鮮文化史研究の成果から(以下の複数の視角を組み合わせて見ていく)
領域別の理解(言語・文学・スポーツ・言論・映画・美術など)
文化政策と文化運動
ナショナリズム
文化混淆の政治・社会的意味
講義形式を主とするが、部分的に演習形式を用い、受講者の積極的な参加を求める。
平常点(出席・授業への参加度)と学期末レポートによる。
とくになし
武田幸男編『朝鮮史(世界各国史1)』山川出版社、2000年
吉田光男『北東アジアの歴史と朝鮮半島』財団法人放送大学教育振興会、2009年
その他、授業中に指示する
授業の内容の理解のために、朝鮮史の概説書を読み、近代史の流れをある程度把握しておくのが望ましい。
なお、文献をいくつか読むことになるが、必ずしも韓国朝鮮語の知識がなくてもかまわない。