東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1

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テクスト受容論I(三角測量と文学)

  • 科目コード(修士): 31M200-0970W
  • 科目コード(博士): 31D200-0970W
  • 開講学期: 冬
  • 曜限: 月(Mon)5
  • 教室: 8号館 8-321
  • 単位数: 2.0
  • 担当教員: 石原 あえか

授業の目標・概要

柴崎測量官が剱岳の測量登山に成功して百年を経た2009年、木村大作により『剱岳』が映画化されるとともに、国土地理院などでも明治期の測量史が再発見・再評価が始まった。特に剱岳の測量登頂(1907)は、近代科学と文学というテーマはもちろん、宗教が密接に絡むメンタリティーの問題や、また山の崇高美といった美学概念も複雑に絡んでいる。『剱岳』を手がかりに、20世紀初頭の科学・美学・文学に関連して、さまざまな解釈の可能性や考察を試みる。

授業のキーワード

  • 新田次郎の小説『剱岳』
  • 三角測量
  • 日本アルプス
  • 山の崇高美
  • 日本山岳会
  • 小島烏水

授業計画

最初の数回は新田次郎の『剱岳』のあらすじの確認等、基礎的な作品知識の確認をおこなう。また作品をさまざまな角度から比較・検討するために、小島烏水およびウォルター・ウェストンの日本アルプス関連のエッセイや「山と崇高」に関する美学論文などもあわせて使用する。その後、受講者の関心に沿って、特定のテーマを選択し、順番に発表を担当してもらう予定。

授業の方法

基本的に演習形式をとる。いずれの時間も履修者全員で検討・議論を行う。

成績評価方法

授業への積極性(発表等も含む)およびレポートを予定。詳細は授業内で説明する。

教科書

新田次郎『剣岳 点の記』 (文春文庫 に 1-23)

参考書

必要な参考文献は、授業中に適宜紹介・配布する。