Emily Brontë, Wuthering Heights (1847)すなわち『嵐が丘』の物語は広く知られているし、これを原作とする映画も多数あるので、そのいずれかを観た人も少なくないだろう。しかし、原作を英語で通読した人はあまりいないのではないか。実際読んでみると、この作品のとり憑くような力は、単に物語の面白さやヒースクリフなど濃いキャラクターだけでなく、詩的で研ぎ澄まされた英文や迷宮のような語りの工夫からももたらされていることに気づくだろう。つまり、原作を読むのは決して楽ではないが、その苦労を経て初めて得られる感動もあるということだ。この授業では、そのレアな感動体験を共有してもらうことで、受講者にとって英語小説がより身近なものとなることを目標とする。
第一週はガイダンス。第二週は全員でChapter 3の終わりまでを読んで感想を述べ合う。第三週以降、受講者の発表を中心にして、教科書を毎週20ページくらいずつ読み進める。最後の週には出版当時の『嵐が丘』の書評も読み、いかにこの作品が当時の読者にとって斬新なものだったかをみることにする。
基本的に受講者による発表によるゼミ形式である。発表の方法は授業時に指定する。
授業での発表や発言内容に加え、期末レポートの内容を総合的に評価する。
Emily Brontë, Wuthering Heights (Edited by Richard J. Dunn; Norton Critical Edition, 2003)を使用する。様々な版が出ているが、必ずこの版を持参すること。
特になし。
邦訳を教室で広げるのは禁止。