東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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異文化コミュニケーション論I(チョーサーの『カンタベリー物語』を読む)

  • 科目コード: 0824020
  • 開講学期: 夏
  • 曜限: 木曜2限
  • 教室: 8号館320
  • 単位数: 2.0
  • 担当教員: 小林 宜子

授業の目標・概要

14世紀末に書かれたGeoffrey Chaucer の "The Cantebury Tales" の中から "The Nun's Priest's Tale" (「尼僧付司祭の物語」)を選び、中英語の原文と現代英語訳の両方を用いながら購読する。"The Nun's Priest's Tale" は全体が650行ほどから成る韻文の物語で、古典古代から続く動物寓話の伝統を継承しつつ、聖書や古代末期の哲学書、中世ヨーロッパの宮廷文学、イングランド固有の聖者伝など数多くの文献からの引用を含み、社会風刺の性格も帯びている。短いながら幾通りもの解釈が可能な内容豊かな物語を味読しつつ、中世イングランドの文化と社会への理解を深める。

授業のキーワード

  • 中世英文学
  • チョーサー
  • カンタベリー物語
  • 動物寓話

授業計画

  1. 『カンタベリー物語』とは何か/ 中英語入門
  2. 中英語入門 / 物語の冒頭(55行~80行)を原文で読む
  3. 中世ヨーロッパの動物寓話
  4. 物語の81行~141行の精読
  5. 古代末期から中世にかけての夢の理論
  6. 物語の142行~217行の精読
  7. 中世の学校教育 / 物語と写本
  8. 物語の218行~343行の精読
  9. 中世ヨーロッパと古典古代
  10. 物語の344行~448行の精読
  11. 聖者伝と『薔薇物語』
  12. 物語の449行~564行の精読
  13. 物語の565行~680行の精読
  14. 14世紀末イングランドの社会と政治
  15. 期末試験

授業の方法

授業計画にあるとおり、二週ずつを一つの単位として一週目はテクストの精読に、二週目は前の週に読んだテクストと関連する文学的・文化的テーマに関する講義とディスカッションに費やす予定。

成績評価方法

毎回の授業への取り組み、原文への理解度を試す期末試験、および物語の解釈を論じた学期末レポートを成績評価の対象とする。

教科書

Victor Lee, Peter Mack, and Andy Hawkins (eds.), "Geoffrey Chaucer: The Nun's Priest's Tale," Oxford Student Texts (Oxford: Oxford University Press, 2008)を教材として用いる(ISBN: 0198326939)

参考書

授業中に指示する。

履修上の注意

授業で用いる中英語のテクストには語彙集と詳細な語注が付いているので、中英語の知識が皆無でも問題なく履修できる。物語の全文を原文で読むのではなく、一部の抜粋を原文で、残りの部分を現代英語訳で読むことにより、一学期間で物語全体を完読する予定である。