東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
「ロシア文学の黄金時代」以前のロシアにおける最大の歴史的事件の一つである対ナポレオン戦争の記憶が、プーシキンやレールモントフ、トルストイの作品をはじめとするロシア文化の諸局面にどのように刻印されているか。アスマン等の「文化的記憶」をめぐる議論も参照しつつ、主に2012年以降にロシアで発表された文献を講読することを通してこの問題を考察し、記憶と歴史、文化との関係についての理解を深める。
初回の授業では基本的な問題について教員が概説的な講義を行い、2回目以降は演習形式によりロシア語(ないし英語)の文献を読んでいく。まずは2012年にモスクワで刊行された包括的な論集「Отечественная война 1812 года в культурной памяти России(ロシアの文化的記憶のなかの1812年祖国戦争)」から序文を読み、問題のありかを整理する。
毎回、担当者が予め割り当てられた文献について報告を行い、全体で議論を行う。
授業への参加、報告、レポートによって総合的に評価する。
授業時に指示する。
授業時に指示する。
ロシア語の初級文法を一通り学び終えていること。トルストイの『戦争と平和』を(日本語訳で構わないので)事前に読んでいることが望ましい。