東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
19世紀以降のロシアの文学、芸術に多大な影響を及ぼし、近代ロシア語の基礎を築いたともされるアレクサンドル・プーシキンの作品をロシア語原典で読む。同時に標準語の形成、都市表象、民衆文化や歴史への視点など、近代ロシア文化全般に関わる大きな論点に対してプーシキンがどのように規範をもたらしたかを知り、ロシア文化理解のための基礎教養を身につける。
初回の授業ではロシア文学史およびプーシキンに関して簡単に概説し、ロシア語の詩法についても解説する。2回目以降は実際に作品を読んでいく。最初は短い抒情詩から始め、その後で「エヴゲニー・オネーギン」「スペードの女王」といった代表的作品(断片)に進んでいく予定である。
講読が中心となる。
平常点および期末レポートにより総合的に評価する。
授業時に指示する。
ロシア文学史については川端香男里編『ロシア文学史』(東大出版会)、藤沼貴・水野忠夫・井桁貞義編著『はじめて学ぶロシア文学史』(ミネルヴァ書房)など。ロシア詩法については中沢敦夫『ロシア詩鑑賞ハンドブック』(群像社)。その他は授業時に指示する。
ロシア語の基礎文法を一通り学び終えていることが履修の条件となる。予習は必須となる。「エヴゲニー・オネーギン」をはじめ、日本語で読める作品は事前にいくつか読んでおくことが望ましい。