現代イギリス小説と中世のイングランドで書かれた韻文文学との間を往還しつつ、テクスト分析の様々なアプローチを学び、文学批評理論への理解を深める。
今学期に扱うのは以下の三作品である。1) Kazuo Ishiguro, "The Buried Giant" (2015); 2) "Beowulf: A New Verse Translation" by Seamus Heaney ; 3) "Sir Gawain and the Green Knight," translated by J. R. R. Tolkien. 学期の前半(第1週から第9週まで)は、カズオ
・イシグロの『忘れられた巨人』、およびそれとの類似性が指摘されている中世の2作品の現代英語訳、およびこれら三作品の邦訳を読みつつ、以下のテーマについて考察する。あわせて関連する批評理論への理解を深める。
① 語り、時間、空間
② 生と死
③ 記憶と忘却
④ 復讐と和解
⑤ 叙事詩
・ロマンス
・ファンタジー
⑥ 作品の死後の生
⑦ アダプテーション
⑧ 多文化共生
学期の後半(第10週以降)は、受講者が各々作品とテーマを選んで学期末レポートの作成に取り組む。授業中に草稿をたがいに批評し合いながら、学術論文としての体裁を整え、最終稿を仕上げていく。
ディスカッションと発表を中心にした演習形式。
授業態度と発表の内容、および学期末レポートの成績を総合して評価する。
授業中に指示する。
授業中に指示する。
授業の初回までに『忘れられた巨人』を各自購入し、読み始めていることが望ましい。