日本語にも中国語にも程度を表す語が存在する。それらの意味や機能に関する先行研究はすでに少なからず存在し、一定の成果をあげていると言えるが、まだその全容が完全に解明されているとは言い難い。 本授業では、日本語と現代中国語の程度副詞を主たる対象とし、先行研究における分析や考察の不足および問題点を検証しつつ、両言語の言語データに基づき新たな分析と考察とを加え、未解決の問題の解明を目指す。
授業テーマに該当する先行文献をいくつか選定し、それらを順次読み進めながら、先行研究における問題点を検証する。また、日本語と中国語の言語データに基づいて、発見した問題に関して新たに分析を行なう。文献の講読については、担当制で行なうかそれ以外の方法で進めるかは、初回の授業で受講者と相談する。
演習形式と講義形式の併用。
文献の講読部分を担当制で進める場合は、その担当の内容と平常点などを総合的に判断して成績を評価する。担当制を用いない場合は、基本的には平常点と期末レポートの成績を総合的に判断して成績を評価する。
『中国人のこころーー「ことば」からみる思考と感覚』、小野秀樹著、集英社新書、2018年
『中国人のこころーー「ことば」からみる思考と感覚』、小野秀樹著、集英社新書、2018年
本授業では日本語と中国語とを対照的に研究し、現代中国語で書かれた文献も取り扱うので、受講は、中国語の学習歴が2年以上ある(中級中国語までを受講し、合格して単位を認定された人)かそれと同等の能力を有することを条件とする。なお、講義形式の部分においては、日本語を使用する。 また、自身の専門分野を問わず、言語学や言語研究に興味のある人の受講を希望する。