東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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英語科教育法II (英語科教育法Ⅱ English Language Teaching Methods Ⅱ)

  • 科目コード: 08G0013
  • 開講学期: S1
  • 曜限: 木曜3限 木曜4限 Thu 3rd Thu 4th
  • 教室: 駒場1号館 120教室
  • 単位数: 2
  • 担当教員: 奥 聡一郎

授業の目標・概要

授業の到達目標及びテーマ 1. 現代の英語教育を考えるうえで必要な知識、知見を学際的な観点からまとめ、理解する。 2. 学校教育の現場における学習者・教材・教授者の学習にかかわる諸要因が的確に分析でき、授業実践に活かすことができる。 3.マイクロティーチングを通して効果的な授業を行うための技術、技法を身につけ、教育実習での学習指導案の作成の基礎となる教材研究と教材作成、授業構成まで自ら考えて授業改善ができるようにする。

授業のキーワード

  • 英語教育 アクティブラーニング
  • English Teaching Active Learning
  • 第1
  • 心理学
  • 第1 回

授業計画

第1回:イントロダクション、評価方法の説明、これまで受けてきた言語教育の問題点を振り返り議論する。【キーワード 英語教育史、教育行政、英語教育学、応用言語学、第二言語習得】
第2回:学習者要因から考える英語の授業【キーワード 動機づけ、教育心理学】
第3回:教授者要因から考える英語の授業【キーワード 英語運用能力、コミュニケーション能力、英語圏文化】
第4回:教材論と検定教科書 英語教材の特徴を分析し、指導の観点を分析できるようにする。 【キーワード 学習指導要領、CEFR、発音指導、語彙指導、文法指導】
第5回:教授法の変遷 様々な外国語教授法の長所と短所を学ぶ。【キーワード 外国語教授法】
第6回:4技能の指導法 「読む・書く・聞く・話す」指導の実例を学ぶ。【キーワード ドリル】
第7回:指導技術の向上 声の出し方から板書まで具体的な技法を演習する。【キーワード マイクロティーチング】
第8回:ICT活用 視聴覚機器、メディア、教具の扱い方を学ぶ。【キーワード 板書、CALL、フラッシュカード】
第9回:新しい学習方法と授業のデザイン。【キーワード 協働学習、アクティブラーニング】
第10回:評価の方法 到達目標設定と評価方法を学ぶ。 【キーワード 評価、キャンドゥ―リスト】
第11回:授業分析と授業研究 【キーワード 模擬授業、協働学習】
第12回:模擬授業と講評・議論(1)【キーワード 学習指導案、コミュニケーション能力】
第13回:模擬授業と講評・議論(2)【キーワード 4技能、ICT活用】
第14回:模擬授業と講評・議論(3)【キーワード 教室外学習、動機づけ】
第15回:授業のまとめ 【キーワード 教員研修、授業研究】

授業の方法

 英語教育の諸問題を自らの経験に即して振り返ることから始め、応用言語学、第二言語習得、教育工学など学際的な知見を概観する。加えて、新しい学習方法、協働学習、アクティブラーニング、ICT活用などを取り入れ、効果的な授業につなげる。学習者、教材の特性に応じて柔軟に対応できる能力を身につけ、効果的な英語授業が組み立てることができるようにする。実際に教壇に立つ前に、教授者としての技法、声の大きさから板書、ワークシートの作成など様々な教具の使い方についてマイクロティーチングを通して習熟してもらう。最終的には英語の運用能力を身につけさせるための教材開発、指導案の作成、教室外学習の取り組みなど、履修者全員が模擬授業を行い、互いに講評、議論することで英語教育に携わる自覚をもって、具体的かつ効果的な技法を身につけることを目標とする。

成績評価方法

毎回の講義内容に関するリアクションペーパー(20%)、模擬授業の学習指導案(20%)、マイクロティーチングとプレゼンテーション(20%)、模擬授業への講評(20%)、英語教育に関する最終レポート(20%)を総合的に評価する。

教科書

中学校学習指導要領(平成20年3月公示 平成22年11月一部改正)文部科学省編 東山書房 ISBN978-4-8278-1540-5
 中学校学習指導要領解説外国語編 文部科学省編 開隆堂 ISBN 978-4-304-04161-7
 高等学校学習指導要領(平成21年3月公示)文部科学省編 東山書房 ISBN978-4-8278-1478-1
 高等学校学習指導要領解説外国語編・英語編  文部科学省編 開隆堂 ISBN978-4-304-04164-8 

参考書

JACET SLA研究会編 『第二言語習得と英語科教育法』 東京:開拓社
金谷憲他編『大修館 英語授業ハンドブック 中学校編』東京:大修館書店
金谷憲他編『大修館 英語授業ハンドブック 高等学校編』東京:大修館書店
Jim Scrivener. (2011) Leaning Teaching. The Essential Guide to English Language Teaching. Third Edition. Oxford: Macmillan Books.

履修上の注意

原則として、教員免許取得予定者を対象とする。履修者数によっては上記の予定を多少変更する。