東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
中世から近代にかけての韓国語研究の資料の中から,日記などの比較的口語的な資料を選んで講読し,当時の文法のさまざまな側面について,公に刊行された文語的資料と対比させながら考察する。
17世紀初頭の宮中の出来事が記された『癸丑日記』(『西宮日記』とも呼ばれる)をテキストとして,同時期の他の資料と対比しながら解読し,その頃の言語の文法的特徴を明らかにしていく。このテキストは本来17世紀前半に書かれたと推定されるが,現存する『癸丑日記』および『西宮日記』のテキストはともに正確な作成年代は不明である。また両者の関係についても不明な点が多い。こうしたことから,現存するテキストの表記法や言語的特徴などからこうした不明の点を推定する作業もあわせて行っていく。
初回の授業で資料の概要を説明したのち,前半は講義形式で,後半は参加者諸君の発表によって読み進めていく。対照させる過去の言語資料については,コーパスを活用する。資料は随時プリントとして配布する。
平常点とレポートによる。
なし
李基文(1998)『新訂版 国語史概説』ソウル:太学社 安秉禧他(1990)『中世国語文法論』ソウル:学研社 白斗鉉(2015)『ハングル文献学』ソウル:太学社
現代韓国語の初級を履修していること。 テキストの講読は昨年度の続きから行うが,最初に概説を行うので,今年度から新たに参加してかまわない。