東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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言語文化論特殊研究(17) (韓国朝鮮文学講読)

  • 科目コード: 08C161917
  • 開講学期: A1A2
  • 曜限: 木曜5限 Thu 5th
  • 教室: 駒場11号館 1107教室
  • 単位数: 2
  • 担当教員: 崔 泰源

授業の目標・概要

韓国朝鮮文学の研究を行うために必要な韓国朝鮮語の読解力を養うことを目標とする。本授業では、1920〜30年代の短編小説を日本語訳と原文を比べながら読む。植民地近代の美的表象や植民地文学の翻訳という問題についても、一緒に考えてみたい。

授業のキーワード

  • 韓国朝鮮語
  • 翻訳
  • 近代小説
  • 朝鮮文学
  • 日本語

授業計画

1)詩を読む:オリエンテーションと詩 「つつじの花진달래꽃」 (1922) 2)近代文学の始まりと痛み:金東仁 「笞刑(태형)」 (1922) 、「芋(감자)」 (1925) 3)人間の条件:羅稻香 「雇い人の子(행랑자식)」(1923) 、「啞の三龍(벙어리삼룡이)」(1925) 4)1920年代のソウルを徘徊しよう!:玄鎭健 「運の良い日(운수좋은 날)」 (1924) 5)不運の植民地:魯迅「故郷」(1921)と玄鎭健 「故郷(고향)」 (1926) 6) 目覚める自我のジレンマ:廉想涉 『万歳前(만세전)』 (1924) 7)出口なき怒り:崔曙海 「飢餓と殺戮(기아와 살육)」 (1925)、「脱出記(탈출기)」(1925) 8)新女性、その生と芸術:羅蕙錫 「瓊嬉(경희)」 (1918), 「離婚告白書」 (1934) 9) 遅れて来たモダニズム1:横光利一「機械」(1930)と李箱「翼(날개)」(1934) 10)遅れて来たモダニズム2:朴泰遠「五月の薫風(오월의 훈풍)」(1933)、「小説家仇甫氏の一日(소설가 구보씨의 일일」(1936)

授業の方法

演習形式で行う。取り上げるテキストそれぞれについて報告者を決め、報告者は授業で注釈・比較の結果・疑問点などを発表する。ある特定部分の翻訳を受講者各自に提出してもらい、お互いの翻訳を比較しながら批評し合うことも考えている。発表をもとに全員で議論する。

成績評価方法

授業での発表とレポートによって評価する。

教科書

プリントを配布する。

参考書

最初の授業時に指示する。

履修上の注意

韓国語原文で文学作品を読むほどのレベルではなくても構わないが、簡単な文章を読める程度(初級レベル)の韓国語能力は望ましい。講義の内容は受講者の韓国語能力や関心に合わせて調整する。