本授業では、近年日本の読書界でもよく耳にする「世界文学」の理論と実践に関して、英語圏の研究文献および世界文学の諸作品の輪読を通じて理解を深めていく。輪読するテクストは、アメリカの気鋭のモダニズム文学研究者Rebecca L. Walkowitzの新作Born Translated: The Contemporary Novel in an Age of World Literature (2015)である。この研究文献で扱われる現代作家は、村上春樹、カズオ・イシグロ、J・M・クッツェー、デイヴィッド・ミッチェル、キャリル・フィリップス、ジャマイカ・キンセイド、モーシン・ハミドなど、多岐にわたる。本授業では、研究文献の輪読の回と、研究文献で取り扱われる世界文学の輪読の回をセットにして、世界文学の理論と実践に身をなじませていきたい。現代文学、翻訳理論、批評理論に関心のあるすべての参加者を歓迎したい。
Born Translatedの輪読と世界文学の輪読をセットで進めていく。
Week 1. イントロダクション、授業の紹介、参考文献の紹介など。
Week
2. Born Translated: Introduction
Week
3. Born Translated, Chapter One
Week
4. J. M. クッツェーと世界文学
Week
5. Born Translated: Chapter Two
Week
6. カズオ
・イシグロと世界文学
Week
7. Born Translated, Chapter Three
Week
8. デイヴィッド
・ミッチェルとキャリル
・フィリップス
Week
9. Born Translated, Chapter Four
Week
10. ジャマイカ
・キンセイドとモーシン
・ハミド
Week
11. Born Translated, Chapter Five and Epilogue
Week 1
2. デジタル時代の世界文学
Week 1
3. まとめ、参加者による自由発表
セミナー形式の授業。
授業への参加状況50パーセント、学期末エッセー50パーセント。
Rebecca L. Walkowitz, Born Translated (Columbia UP, 2015) 各自アマゾン等で入手しておくこと。
最初の授業で、世界文学の参考文献リストを配布する。このテーマに関心のある学生は、フランコ
・モレッティの『遠読』(みすず書房)を読んでおくこと。
セミナー形式の授業なので、基本的に毎回の出席が望ましい。