東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1

TEL: 03-5454-6376

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外国語としての日本語教育I(質的研究法)

  • 科目コード(修士): 31M200-1250S
  • 科目コード(博士): 31D200-1250S
  • 開講学期: S1, S2
  • 曜限: 火(Tue)2 [10:25-12:10]
  • 教室: 5号館 534教室
  • 単位数: 2.0
  • 担当教員: 宇佐美 洋

授業の目標・概要

コーパスや質問紙等を使って大量にデータを収集することより,ひとりの人間と向きあい,インタビューなどで詳細に話を聞きだしていく,というやり方で研究を進めていきたいと考える人はいることと思います。しかしそうした方法で研究を進めようとすると,「そんな少数事例で一般化はできるのか」「インタビューの中から都合のいい部分を抜き出してきただけではないか」という批判がたやすく予想されます。
少数の人から,話を深く聞き出して研究を進めることにはどのような意義があるのでしょうか。また,そうしたやり方での研究に説得力を持たせるためにはどのようなことに配慮する必要があるでしょうか。そういうことについて,質的研究に関する論文を講読したり,あるいは皆さん自身による研究の実例を紹介してもらったりしながら,参加者全員で考えていきます。

授業のキーワード

  • 客観主義パラダイム
  • 構成主義パラダイム
  • 一般性
  • 移転性
  • 概念化
  • 理論形成

授業計画

1. 客観主義パラダイムと構成主義パラダイム
2. 質的研究・量的研究の特性
3. 質的研究に関する論文講読・データ分析再検討
4. 研究の具体的手法の検討
5. 学生自身による調査計画の立案・検討
6. 研究のためのデータ収集
7. 発表・検討

授業の方法

論文講読,研究手法についての,学生自身による発表・紹介,調査計画の立案・実施,プレゼンテーション等

成績評価方法

授業への参加状況(授業内での提出物・プレゼンテーション等含む),最終レポート

教科書

特にありません。必要あれば適宜授業内で指示します。

参考書

特にありません。必要あれば適宜授業内で指示します。

履修上の注意

この授業は,特定の質的研究手法を紹介し,習得してもらうための授業ではありません。なぜ自分は質的研究法を取る必要があるのか,自分の問題意識にうまく対応するためには,どういう手法をとるのがいいか(あるいはどのような手法を自ら作り出す必要があるか)ということを自ら考え,他のメンバーとともに議論を深めていくための授業です。質的研究についての予備知識は不要ですが,自分なりの問題意識をもって参加することをお勧めします。