東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
「語」は,文の基礎的な構成要素であり,レキシコンに記憶されるひとまとまりの要素として句には見られない語彙性を示す。一方で,複数の形態素から成る語には内部構造があり,句に似た規則性を示す側面もある。この二つの相反する性質がせめぎあうところに,「語」の文法の面白さがある。この授業では,「語」の成り立ちと振る舞いにかかわる具体的な言語現象をとりあげて,「語」の文法を考えていく。
1.導入:規則性・生産性と語彙性
2.項構造と語形成
3.語彙概念構造と語形成
4.名詞化
5.動詞形成
6.接頭辞付加
7.複合(1)
8.複合(2)
9.項構造の受け継ぎ
10. 転換
11. 使役動詞
12. 屈折
13. まとめ
講義と演習をとりまぜて行う。
演習部分では,グループで言語データの分析を行い,その結果を発表してもらう
毎回提出する課題と,期末の小論文によって総合的に評価する
指定しない
伊藤たかね・杉岡洋子(2002)『語の仕組みと語形成』研究社
その他,授業中に指示する