東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
近代朝鮮の社会や文化を言語をキーワードとして考える。
言うまでもなく、言語はそれ単独で存在するのではなく、それを使う人間が織りなす社会の機能と結びついている。そして、政治の領域に絡むこともしばしばである。そのような社会史・政治史の文脈で近代朝鮮の「言語問題」を取り上げ、その時代の歴史的性格について考えてみたい。また、現代の「言語問題」の性格についても考える手がかりを得たい。
概ね以下のようなテーマを扱う予定である(順不同)。
1.イントロダクション、朝鮮近代史概観
2~3.近代社会への変容と「言語問題」の発生
4~5.植民地期朝鮮における朝鮮語と日本語
6~8.政策、運動、アイデンティティ
9~10.近代朝鮮社会の実態と言語
11.現代への連続
12.補論
13.まとめ
講義形式を主とするが、部分的に演習形式を用い、受講者の積極的な参加を求める。
平常点(出席・授業への参加度)と学期末レポートによる。
とくになし
武田幸男編『朝鮮史(世界各国史1)』山川出版社、2000年
三ツ井崇『朝鮮植民地支配と言語』明石書店、2010年
吉田光男『韓国朝鮮の歴史』財団法人放送大学教育振興会、2015年
その他、授業中に指示する。
授業の内容の理解のために、韓国朝鮮史関連の授業をあらかじめ履修しておくか、朝鮮史の概説書を読むなどして、朝鮮近代史の流れを把握しておくこと。