東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
『ルネ』(1802年)はシャトーブリアンの代名詞というべき小説であり、また19世紀フランスにおけるロマン主義的主人公像を決定づけた作品でもある。この授業では同作品を精読しながら物語を支える構造を分析し、主題の広がりを考察する。
シャトーブリアンの他の作品との関連をふまえつつ『ルネ』のテクストを精読する。宗教や旅、異文化接触やアメリカをめぐる主題の広がりを考察するとともに、いわゆる「世紀病」の諸相、とりわけロマン主義的な自我の問題を、19世紀フランスにおけるこの作品の受容という観点から検討する。
訳読方式による。
平常点およびレポート
Chateaubriand, Atala-Rene, ed. de Jean-Claude Berchet, Le Livre de Poche.
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