東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
韓国朝鮮文学の研究を行うために必要な韓国朝鮮語の読解力を養うことを目標とする。本授業では、韓国文学史の中で最も優れた短編作家として評価される李泰俊(イ・テジュン)の短編小説を読む。韓国朝鮮語で書かれた文学作品を原文で読むだけでなく、植民地近代の美的表象や植民地文学の翻訳という問題についても、一緒に考えてみたい。
本授業では「春」(1932)、「月夜」(1933)、「故郷」(1933)、「桜は植えたが」(1933)、「烏」(1936)、 「福徳房」(1937)、「夜道」(1940)などを扱い、前半は原文と日本語訳版を比較しながら、後半は自ら訳しながらテキストを精読する。
演習形式で行う。取り上げるテキストそれぞれについて報告者を決め、報告者は授業で注釈・比較の結果・疑問点などを発表する。ある特定部分の翻訳を受講者各自に提出してもらい、お互いの翻訳を比較しながら批評し合うことも考えている。発表をもとに全員で議論する。
授業での発表とレポートによって評価する。
プリントを配布する。
『文章』(文章社、1939-1941)、『이태준전집(李泰俊全集)』(깊은샘、1988)、『福徳房 : 李泰俊短篇』(モダン日本社、 1941.8)、『福徳房』(東方社、1955)