東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
齋藤茂吉の第二歌集『あらたま』は、1913年9月より17年末までの作を収める。この時期の茂吉は、第一歌集『赤光』で駆使した珍奇な語法・句法を自ら封印したために不振に陥っていた。『あらたま』編集の際には旧作の手直しを試みるが、その作業が思うに任せぬまま、最後は強引に切り上げて刊行に漕ぎつけたのだった。この、断念の歌集に収められた歌を、初出の形と比較しながら精読し、作者の産みの苦しみを追体験する。
1、大正中期から昭和初期にかけての茂吉の足取りを概観。 2、第一歌集『赤光』の達成と『あらたま』後期の不振について概観。 3、分担の決定。 4、各自の担当分について発表し、受講生一同で討議する。 6、まとめ。
上記1~2は講義形式で、4以下は演習形式で行なう。その割り当ては受講生の人数と顔ぶれによって決める。
発表の出来映えと毎回の論議での発言によって評価する。合格に達しない場合はレポートを課することもある。
『あらたま』はPDFファイルを配布する。
品田悦一『斎藤茂吉』ミネルヴァ書房
品田悦一『齋藤茂吉 異形の短歌』新潮選書
専門的な知識は一切不要なので、多少でも興味のある向きは気軽に受講して欲しい。