東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
1966年にフランスの雑誌 Communications は、一つの時代を画することになる特集を組んだ。「物語の構造分析」と題されたこの特集の中から、Gérard Genette « Frontières du récit », Tzvetan Todorov « Les catégories du récit littéraire » という二つの論文を読む。ロシア・フォルマリスムの影響のもとで、文学の文学性とは何かを問い、一種の「文学の科学」を目指したこうした試みは今でははるか遠いものに感じられるだろうが、文学理論の目標の一つがそこにあったことは間違いなく、一度は目を通しておくべきだと思われる。
なお、本授業はフランス語で書かれた理論的文章の読解力の養成も目標とする
始めに、論文の歴史的背景や著者のその後の仕事などについて概観する。その後、受講者の輪読によって、論文を読み進める。
講義と演習形式(受講者による発表と討議)とを組み合わせて行う。
授業中の発表とレポート