東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
18世紀のヨーロッパ文学・文化を理解するには博物学の知識が必要である。知的好奇心いっぱいの博物学者たちは、新大陸の珍しい植物や薬草を収集し、標本化してヨーロッパに持ち帰り、紹介した。丁寧な科学史的検証・分析手法で定評のあるシービンガーの「知の帝国主義化」、特に植物学におけるジェンダーを扱った著作を読む。クリティカル・リーディングを通じて、18世紀ヨーロッパ文化への理解を深めるとともに、研究対象へのアプローチや論文構成方法などもあわせて学ぶ。
シービンガーの『植物と帝国』を精読し、各章のテーマについて議論・検討を行う。同時にレジュメやプロトコルの作り方なども学ぶ。その後、受講者各自がこの著作内容からテーマを選び、発表・討論を行っていく予定。
基本的に演習形式をとる。あらかじめ担当者・発表者を決めておき、その発表をもとに受講者全員で検討・議論を行う。
授業への積極性(発表等含む)および学期末筆記試験もしくはレポート。詳細は授業内で説明する。
ロンダ・シービンガー著、小川眞里子・弓削尚子訳『植物と帝国 抹殺された中絶薬とジェンダー』(工作舎)2007.
必要な参考文献は、授業中に適宜紹介する。
履修希望者は初回授業に必ず出席すること。