東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
エドワード・サイードの『オリエンタリズム』が刊行されてからすでに37年、もはや「オリエンタリズム」批判など常識であり、今更議論することもない、と思われるかもしれない。しかし、常識を疑うことこそ学問であるならば、いまだからこそオリエンタリズムについて深く再考できるとも言える。実際、最新の文学研究では、スリニヴァス・アラヴァムーダンの『啓蒙オリエンタリズム』(Srinivas Aravamudan, Enlightenment Orientalism)など、サイードの議論を踏まえつつ、オリエンタリズムに新たな意義を見出そうとするものも見られる。
本授業では、現代における「オリエンタリズム批判」の潮流を踏まえつつ、文学テクストを批評的に読むことを実践する。
はじめの3週はEdward Said, "Orientalism"から文学研究に関わる部分を選んで読む。
その後はオリエンタリズム関連の批評文献と文学作品を交互に読む。
詳細は初回授業で案内する。
指定されたテクストを精読し、学生の発表を中心に進める。
英語の批評、小説を読む。小説は基本的に邦訳もあるものを選ぶが、批評はそうとは限らない。
授業内での発表と最終レポート。レポートでは、文学作品をオリエンタリズム研究を踏まえて批評する。
Edward W. Said, "Orientalism." 版はいろいろあるが最新版かつ紙の本を入手すること。他の批評文献はコピーあるいはpdfを用意する。文学作品については、初回授業で指示する。
授業内で指示する