東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
書物史の分野で重要な貢献を果たした学術論文を複数読みながら、手書き写本の時代以来、書物がヨーロッパの社会や人々の生活の中で演じてきた役割を概観しつつ、書物の今後のあり方について考察する。
David Finkelstein and Alistair McCleery による"An Introduction to Book History" (2005) および "The Book History Reader" (2nd ed., 2006)の中から8章を選び、各章に1~2週ずつ費やしながら、以下の問題について考察する。
1)印刷本の登場はヨーロッパの社会や文化にどのような変化をもたらしたのか。
2)印刷本誕生以降の時代に、写本文化はどのような形で存続したのか。
3)書物の歴史を通じて「作者」の概念はどのように定義されてきたのか。
4)読書という行為は時代とともにどのように変化したのか。
5)現代の新たなテクノロジーは書物のあり方を今後どう変容させていくのか。
あらかじめ決められた担当者による口頭発表(訳読・要約・各々の論文で扱われたテーマに関する意見の発表)を中心に授業を進め、教員が適宜解説を加える。発表担当者との質疑応答やディスカッションも行なう予定。発表の内容は翌週にレポートの形で提出してもらう。
授業時間内の口頭発表、授業への参加の度合い、レポート、および期末試験の成績を基に総合的に評価する。
プリントを配布する。
学期中に指示する。