東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
英語の単語には複数の意味を持ついわゆる多義語が多く見られる。たとえば、trunkという語を一般の学習辞典で引いてみると、多岐にわたる語義が1(木の)幹、2(人の)胴体、3(旅行用の)トランク、4象の鼻、5(男子の競技用)トランクス、6(乗用車の)トランクなどといったように並んでいる。異なる語義はどのように意味的に繋がっているのだろうか。また、trunkの語源を調べてみると、この語はフランス語からの借用語で、元来は「木の幹」を意味し、「トランク」、「象の鼻」などの意味は後に発達してきたことがわかる。このように、語の多義性は、通時的な意味変化の結果、もとの意味とそこから派生した新たな意味が共存していることによって生じる。本講義では、語の多義性といった共時的問題と意味の変化という通時的問題を考えていきたい。特定の教科書は用いず、随時資料などを配布する。
授業で扱う予定のトピック
・語の多義性
・意味変化の方向性
・意味変化のタイプ
・意味変化の原因
・文法語の意味変化
講義形式だが、課題などを課すことによって受講者の積極的な参加を促したい。
課題およびレポートまたは期末試験による。
[日本語用]
意味変化、通時言語学
授業の中で随時紹介していく。