形態論は,「語の文法」を明らかにする分野である。語には音形があり,構造があり,意味がある。語は文構造の中に出現し,頭の中で処理され,歴史的変化を受ける。つまり,形態論とは,言語学のすべての下位分野の考察を「語」のレベルに凝縮した言語学の小宇宙であると言っても良い。この授業では,形態論の基本を学び,音韻論、統語論,意味論,心理言語学,歴史言語学との接点について考察を深め,受講者それぞれ興味のあるトピックについて,具体的な言語現象の分析を行う。
1.「語の文法」とは
2. 派生と複合
3. 屈折
4. 形態論と音韻論の接点(1)
5. 形態論と統語論の接点(1)
6. 形態論と意味論の接点(1)
7.形態論と言語処理(1)
8. 形態論と言語変化(1)
9. 形態論と音韻論の接点(2)
10. 形態論と統語論の接点(2)
11. 形態論と意味論の接点(2)
12. 形態論と言語処理(2)
13.形態論と言語変化(2)
教科書の前半は3回の講義で概要を説明し、その理解を前提に教科書後半を第4週から受講生の興味に従って分担を決めてレポートしてもらう。教科書の内容を簡潔に紹介した上で,各自興味のあるポイントにしぼって批判的検討を加えることを求める。第9週からは、各自レポートを担当した章にかかわりのある言語現象を取り上げて,具体的な分析を提示してもらう。
授業での発表と学期末に提出する小論文によって総合的に評価する
授業での発表と学期末に提出する小論文によって総合的に評価する
初回授業時に1章,2章を扱うので,開講前に予習して出席すること