東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
従来の言語教育における評価研究は,いかにして一貫性のある,ばらつきのない評価を行っていくか,ということを目的として実施されてきました。しかし近年は,評価を「人間が,外の世界に対して行う解釈・価値判断」として広くとらえ,評価の多様性に真摯に向き合うことで,人間同士のコミュニケーションのあり方について深く考察していこうとする研究が行われつつあります。
この授業では,「評価」という認知活動のありようをとらえていくための研究手法を紹介するとともに,受講者自身に調査計画を立案,実施,発表してもらうことで,「評価」についての考察を深めていきます。
1. 近年の評価研究
2. 質問紙調査による研究
3. インタビューによる研究
4. 内省研究
5. 学生自身による調査計画の立案・検討
6. 研究のためのデータ収集
7. 発表・検討
調査手法の紹介,ディスカッション,調査計画の立案・実施,プレゼンテーション等
授業への参加状況(授業内での提出物・プレゼンテーション等含む)70%,最終レポート30%
特にありません。必要あれば適宜授業内で指示します。
宇佐美洋(2014)『非母語話者の日本語はどのように評価されているか―評価プロセスの多様性をとらえることの意義―』ココ出版
春学期の「外国語としての日本語教育II(宇佐美洋)」を受講していることが望ましいですが,秋学期からの受講についても相談に応じます。