天下の寄書、スターンの『トリストラム・シャンディ』(1759-67)を英語で精読する。精読とはただ本文を読むだけでなく、注で言及されている文献にも目を通し、独自のテクスト解釈を確立することまで含む。この脱線だらけの書物には、いまだに多くの謎が残されているが、その謎解きはもちろんのこと、どうしてこのような作品が書かれたのか、またこの作品の面白さの核心はどこにあるのか(ないのか?)も、参加者との徹底的な議論を通じて明らかにしたい。
毎週約50ページずつ読む。学生の発表を元に進めるが、脱線だらけの作品ゆえ、発表の途中で参加者が自由に介入できるようにしたい。テキストはLaurence Sterne, "The Life and Opinions of Tristram Shandy, Gentleman" (Ed. Melvyn New, Penguin Classics, 2003)を使用する。
演習形式。発表の当たった学生はかならず詳細なハンドアウトを用意すること。"Florida Edition of the Works of Laurence Sterne"の"Tristram Shandy"は、上記の教科書の元になった版で、注が詳しい(注だけの刊がある)。発表する学生は図書館で参照することが望ましい(東大では本郷の文学部図書室にある)。また、James Aiken Work編のOdyssey Press版も、古い版(1940年刊行)ではあるが、いまだ参照するに値する。これは駒場の8号館外国語研究書庫と本郷の文学部図書室で所蔵されている。
当然であるが、分からない箇所はOEDを引いて調べること。さらに、Samuel Johnsonの"Dictionary of the English Language"も引けば、18世紀における語義を確認することができる。
授業内での発表と最終レポート
授業内での発表と最終レポート
授業内で指示する。