東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
1970年にロラン・バルトは「旧修辞学」を発表した。これは伝統的な「修辞学」が19世紀に衰退したことを前提として、その歴史を総括するものである。軌を一にして、長らく顧みられなかった「修辞学」を見直そうとする気運が高まった。とはいえ、その「見直し」の意味は論者によって大きく異なり、そこには各々の言語観が表れており、いくつもの論争も起こった。この「ヌーヴェル・レトリック」をめぐる動きに関わった論客には、ヤコブソン、バルト、ジュネット、トドロフ、リクール、ミシェル・ドゥギー、グループμ、デリダ、等々がいる。本講義では、「ヌーヴェル・レトリック」に至るまでの歴史を概観したうえで、この論争に関わるテクストをいくつか読む。
(1)バルト「旧修辞学」を読みながらレトリック衰退の帰趨を概観する。
(2)20世紀の「ヌーヴェル・レトリック」について概観する。
(3)「ヌーヴェル・レトリック」に関わるテクストを読む。
上記(1)は講義および演習形式、(2)は講義形式、(3)は担当者をあてておき、担当者は訳文および関連事項の解説を用意し、授業で検討する形式。
授業での報告と期末レポートで評価する。
コピー資料を使用する。
フランス語が読めること。