東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
ドイツ文学でワインと言えばロマン派の詩人ヘルダーリンを真っ先に連想するかもしれませんが、ドイツ古典主義文学を代表する詩人ゲーテもまた屈指のワイン愛飲家でした。2014年に出版されたばかりのインゼル版の入門的書籍を読み進めながら、ゲーテの生涯と彼の作品に頻繁に登場するワインのモティーフを検討していきます。
まずテクスト後半収録のゲーテとワインの関わり(Goethes Wein-Biographie)についての文章を読み、彼の生涯との関連性を把握したうえで、前半に収録されているさまざまな成立年代の詩を鑑賞していく。具体的には戯曲『ファウスト』から「ツーレの王」、『西東詩集』などを扱う。時間が許せば、ヘルダーリンの詩作品との比較も行いたい。
演習形式で行う。共通のドイツ語テクストを履修者全員が読解・分析・議論する。
授業への積極性および学期末にはレポートを課す予定。詳細は授業内で説明する。
"Will keiner trinken? keiner lachen" Goethe und der Wein. Hrsg. v. Heiner Boehncke und Joachim Seng. Berlin (Insel-Buecherei Nr.1400) 2014.
授業中に適宜紹介する。
ドイツ語原書テクストを徹底して読むので、履修者はドイツ語中級以上の能力を持つ者に限る。毎回、相当量の原文を読み込む予習が必要になるので、それを了解した上での履修が前提条件。履修希望者は初回授業に必ず出席すること。