東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1

TEL: 03-5454-6376

FAX: 03-5454-4329

国際コミュニケーション演習I(聖杯探求の物語の変容――マロリーからテニスンへ)

  • 科目コード(修士): 31M200-0710A
  • 科目コード(博士): 31D200-0710A
  • 開講学期: A1, A2
  • 曜限: 木(Thu)4 [14:55-16:40]
  • 教室: 8号館 8-112
  • 単位数: 2.0
  • 担当教員: 小林 宜子

授業の目標・概要

12世紀のフランスでクレチアン・ド・トロワの『ペルスヴァルまたは聖杯の物語』が書かれて以来、時代を越え、国境を越えて現代に至るまで書き継がれ、様々な変容を遂げてきた聖杯探求の物語。その伝統的なテーマは、それぞれの作品を生み出した社会と、そこに生きる人々の心性を映し出す鏡の役割をも果たしている。本授業では、15世紀のイングランドで書かれたThomas Maloryの “The Tale of the Sankgreal” (Morte D’Arthur 『アーサーの死』所収)、それを典拠にして19世紀に書かれたAlfred Tennysonの “The Holy Grail” (Idylls of the King 『国王牧歌』所収) の二作品を取り上げ、各々の作品の中で聖杯探求のテーマがどのような意味を担い、どのような問題意識を表現しているのかを考察する。

授業のキーワード

  • アーサー王
  • 聖杯伝説
  • 中世
  • ヴィクトリア朝
  • マロリー
  • テニスン
  • 文学的伝統

授業計画

初回は中世における聖杯伝説の変遷について講義を行う。翌週以降、学期の前半はマロリーの“The Tale of the Sankgreal”を取り上げ、後半はテニスンの“The Holy Grail”を精読する。そのほかに、時間が許すかぎり、マロリーの作品の典拠となった13世紀フランスの散文ロマンス(邦訳または現代英語訳を用いる)、テニスンの“Sir Galahad”および“Balin and Balan,” T. S. エリオットの “The Waste Land”なども考察の対象に加えたい。

授業の方法

初回以外は受講者による訳読と口頭発表、およびディスカッションを中心とした演習形式の授業となる。

成績評価方法

授業への参加態度、訳読や口頭発表の内容、および期末レポートの成績を基に総合的に評価する。

教科書

プリントを配布する。

参考書

授業中に指示する。

履修上の注意

マロリーの作品を原語で購読するが、中英語の知識がなくても履修可能である。