東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
「結果構文」に関する文献を読む。結果構文とは一般的な定義として、文の表す意味に、主たる出来事に加えてその結果状態を示す副次的な出来事が含まれるような構文のことを言う(e.g. "She watered the plant flat.")。英語のみでなく、他の言語(e.g. 「花子はグラスをきれいに磨いた。」)でもその存在は確認されているが、上記の定義が構造ではなく意味に基づいていることからもわかるように、結果「構文」の統語的な位置づけは明確ではない。この授業では、結果構文をLFG、HPSG、P&P、LCSなどの言語理論に基づいて分析しようと試みる論文を読みながら、さまざまな言語の結果構文に一貫する構造的な特徴付けと、そこから意味を導き出すための妥当な枠組みを問う。特定の言語理論に習熟していることを前提としないが、言語科学基礎論Ⅰ(統語論入門)を履修済みであることがのぞましい。また、英語、日本語以外の結果構文についてレポートできる言語知識を歓迎する。
用意された文献リストの中から、毎週論文を1本ずつ読み進める。
文献リストの各論分の担当者を決め、順に内容についての発表を行う。その後に、疑問点を取り上げ、争点となる構文の分析方法を議論する。文献リストに含まれない文献の紹介も可。
各自担当する文献の口頭による報告と、学期末のレポート。
プリントを用いる。