東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
終戦後、日本の文学作家は取りつかれたように身体をモチーフとして繰り返して描いた。本授業では私たちは身体というテーマを軸に1945年~1960年にかけて創り出された作品を広く読む。作家たちが身体を通して戦争によるトラウマと罪悪感の念にどう取り組んだか、政治的自由と共同体の可能性をどう表現したか、検討してゆく。一貫して身体のイメージを描いたとはいえ、身体をもって戦後文学者らはこういった問題に対し同じ返答をしたとは言えない。それぞれの身体描写の違いに触れ、戦後日本文学において身体が果たした役割について知見と理解を深める。
1. イントロダクション
2. 田村泰次郎
3. 坂口安吾
4. 武田泰淳
5. 野間宏
6. 安部公房 (1)
7. 安部公房 (2)
8. 曽野綾子
9. 石原慎太郎
10. 大江健三郎
11. 三島由紀夫
12. 宇能鴻一郎
13. 大島渚 (1)
14. 大島渚 (2)
15. まとめ
毎回の担当者を決めての演習形式を基本とする。
出席、ディスカッション、授業内の発表、学期末のレポート