W. Tecumseh Fitch(進化生物学者・認知科学者)が2010年に書いたThe Evolution of Language (Cambridge UP)という本を題材にして,その内容はもちろん,(あれば)行間を読む。
授業で扱うのは1章と2章で,いきものとことば,あるいは生物学と言語学という,一見すると無関係に思える自然と人文の問題が,いかに関連しているかを考える。もっといえば,言語の生物学的基盤や,言語の起源と進化の問題を掘り下げて考えることを通して,あらためて「言語と人間」のありようを問うことになる。
この本は英語の教科書用に編まれたものではなく,本格的な洋書だが,とてもていねいかつ段階的に書かれており,格好の入門書になるものである。
授業では最初の1,2週はウォームアップがてら教員が講義形式で進めつつも,途中で演習形式に切り替える。演習では参加者が順に,割り当てられたセクションやパラグラフなどを内容紹介する。そして,参加者全体と教員で,確認や補足や批判的検討をしつつ,議論を深めてゆく。随時,参考プリントや資料を配布して,テキストを超えた内容へと議論を拡げていきたい。
なお,第1回目の授業時に教材プリントはこちらから配布する。
評価は,出席や発言など授業への積極性20%,演習30%,期末試験50%として総合的に行なう。
プリントを配付するが,Fitch, W. Tecumseh (2010) The Evolution of Language (Cambridge University Press)を購入しても良い。
授業中に指示をする。