この授業は18世紀から19世紀前半にかけてイギリスが積極的に関与した奴隷貿易と奴隷制について消費をキーワードにしながら言語文化としての文学を中心に考察を試みるものです。
スペイン、ポルトガルについでフランスとともに三角貿易の一環として奴隷貿易に積極的に関与したイギリスは、18世紀において膨大な利益をこの貿易から獲得していきます。いわゆるイギリス帝国の海外覇権伸張にともなうパクス・ブリタニカの時代は、植民地化の進展と奴隷貿易の推進を両輪として機能していた時代です。
そんな時代の文学ではこうした奴隷貿易あるいは奴隷制を直接テーマにした作品も少なくありませんし、奴隷の自伝というのも出版されていくことになります。また、一方でこうした奴隷貿易あるいは奴隷制を批判し、反対する声も18世紀後半、とくに1780年代に高まります。そうした言説では人道的な立場、あるいは宗教的な立場からの批判と同時に、ジェンダーや政治利害の問題を孕んだ議論が噴出することになります。ポスト・コロニアリズムを考える際には不可欠の歴史的・文学的現象の一つでしょう。奴隷貿易批判あるいは奴隷制批判の言説に埋め込まれた感受性文学(literature of sensibility)特有のレトリックの問題も考えながら、そうした文学から奴隷貿易および奴隷制の問題を21世紀の視点から考えていきたいと思います。
毎回の授業では文学作品(小説・詩)1本、あるいは英語文献1本(約20頁)あるいは和文献1冊を読んでいきます。奴隷貿易あるいは奴隷制に関する基本的かつ重要な文献からの抜粋です。担当者1名によって口頭発表を行っていただき、それをもとにして出席者全員で議論をしてきます。教員からも適宜質問に加えて、補助資料と捕捉説明を提供していきます。
主に文学作品を中心に議論は進みますが、適宜最新の歴史研究や文学研究をフォローしながら、奴隷貿易および奴隷制の問題を考えていきます。
扱うテーマ
奴隷制・奴隷貿易の歴史的実態
奴隷制と帝国主義
ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』
オラウダ・イクイアーノ『アフリカ人、イクイアーノの生涯の興味深い物語』
クエーカー、福音主義と反奴隷貿易運動
女性たちと反奴隷貿易運動・反奴隷制運動
西インドの視点からみた奴隷制
(エリック・ウィリアムズとジーン・リース『サルガッソーの広い海』)
ディアスポラ ― 21世紀における奴隷制の遺産を考える
学期全体の授業の構成と扱う文献の詳細については、最初の授業の時に提示します。
毎回の授業では文学作品(小説・詩)1本、あるいは英語文献1本(約20頁)あるいは和文献1冊を読んでいきます。奴隷貿易あるいは奴隷制に関する基本的かつ重要な文献からの抜粋です。担当者1名によって口頭発表を行っていただき、それをもとにして出席者全員で議論をしてきます。教員からも適宜質問に加えて、補助資料と捕捉説明を提供していきます。
主に文学作品を中心に議論は進みますが、適宜最新の歴史研究や文学研究をフォローしながら、奴隷貿易および奴隷制の問題を考えていきます。
扱うテーマ
奴隷制・奴隷貿易の歴史的実態
奴隷制と帝国主義
ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』
オラウダ・イクイアーノ『アフリカ人、イクイアーノの生涯の興味深い物語』
クエーカー、福音主義と反奴隷貿易運動
女性たちと反奴隷貿易運動・反奴隷制運動
西インドの視点からみた奴隷制
(エリック・ウィリアムズとジーン・リース『サルガッソーの広い海』)
ディアスポラ ― 21世紀における奴隷制の遺産を考える
学期全体の授業の構成と扱う文献の詳細については、最初の授業の時に提示します。
出席態度60%、レポート40%
資料の抜粋については独自に作成のうえ、コピーを渡します。
授業の際に指示します。