東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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言語情報科学特別講義I(言語情報科学特別講義I :評価論)

  • 科目コード(修士): 31M200-1514W
  • 科目コード(博士): 31D200-1514W
  • 開講学期: 冬
  • 曜限: 金(Fri)5
  • 教室: 8号館 8-206
  • 単位数: 2.0
  • 担当教員:宇佐美 洋

授業の目標・概要

 われわれは日常生活の中で,言語を用い,他者と関わりを持ちながら生活しています。そうした関わりの中でわれわれは,他者の(あるいは自らの)言語運用・言語行動について,何らかの評価(価値判断)を行っているのですが,評価の際個人が準拠する価値観は極めて多様であるため,同一の言語運用・言語行動に接した場合でも,それに対する評価のあり方もまた大きくばらつくことになります。
 上記のような意味での「評価」とは,人間が他者との関わりを持つ際,まず最初に行う認知活動であると言えます。したがって,他者とのよりよい関係を構築していくためには,自分がどのような価値観に基づき,どのようなプロセスで「評価」を行ってしまっているのか,その傾向性を内省・自覚することが大切と考えられます。
 この授業では,さまざまな言語データに対し,自分が,あるいは他の受講者がどのような評価を行っているのかを質的手法を用いて比較分析し,そこから「理論」を構築する試みを行います。

授業のキーワード

  • 日常生活における評価
  • 評価ビリーフ
  • 評価プロセス
  • 質的分析

授業計画

1.  ガイダンス,「評価」の新しいとらえ方
2. ルーブリック作成(データ検討)
3. ルーブリック作成(グループワーク)
4.  ルーブリック作成(発表・ディスカッション)
5. ルーブリック作成(作業の振り返り)
6.  書きことばに対する評価の多様性(データ検討)
7.  書きことばに対する評価の多様性(グループワーク)
8.  書きことばに対する評価の多様性(発表・ディスカッション)
9.  書きことばに対する評価の多様性(作業の振り返り)
10. 難解文書書き換えプロセスの多様性(データ検討)
11. 難解文書書き換えプロセスの多様性(グループワーク)
12. 難解文書書き換えプロセスの多様性(発表・ディスカッション))
13. 難解文書書き換えプロセスの多様性(作業の振り返り)
14. 評価プロセスをモデル化する
15. 全体の振り返り

授業の方法

ディスカッション・グループワーク・プレゼンテーション等

成績評価方法

授業への参加状況(授業内での提出物・プレゼンテーション等含む)50%,最終レポート50%

教科書

特にありません。必要あれば適宜授業内で指示します。

参考書

宇佐美洋(2014)『非母語話者の日本語はどのように評価されているか―評価プロセスの多様性をとらえることの意義―』ココ出版