東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
セルジュ・ドゥブロフスキーが自作『息子/糸』(1977)の刊行に際して初めて提出した「オートフィクション」という語・概念は、1990年代に入って、さかんに論じられるようになり、2008年のスリジー=ラ=サルにおけるシンポジウムを経て、とりわけフランス語圏での批評言語のなかでは、大きな位置を占めるに至っている。この概念がどのような実践的必要と理論的布置のなかで生まれ、発展してきたかを確認する。
最初に、 Philippe Gasparini, Autofiction : une aventure du langage, Seuil, 2008 ならびに Genon Arnaud, Autofiction : pratique et théories, Mon petit éditeur, 2013 に依拠してオートフィクションの歴史を概観したのち、いくつかの個別テクストを選び出して検討する。
講義と演習形式を組み合わせて行う。
授業中の発表と期末のレポートを合わせて評価する。