言語情報科学専攻

• 科目コード（修士）:31M200-1514S
• 科目コード（博士）:31D200-1514S
• 開講学期: 夏
• 曜限:月曜5限
• 教室:8号館 8-209
• 単位数: 2.0
• 担当教員: 宇佐美　洋

授業の目標・概要

　近年，言語能力のとらえ方が大きく変わりつつあり，それにともなって言語教育のあり方にも新たなとらえ直しが行われています。「文法的に正確な文が作れ，理解ができる」ことだけが言語能力ではないことは明らかですが，では改めて「言語能力」とはどういうものなのか，言語を習得するとはどういうことなのか，と問われると，言語教育関係者の中にも必ずしも明確なコンセンサスが存在するとは言えません。
　この授業では，「言語能力」「コミュニケーション能力」とは何か，それらは言語教育の中でどのように扱われるべきか，ということを，ディスカッションやグループワーク等を通じ，参加者全員で考えていきます。

授業のキーワード

• 言語能力・コミュニケーション能力・テスト理論・社会構成主義・構成概念

授業計画

1.  ガイダンス，第二言語習得モデル
2.  年少者の言語習得・バイリンガリズム
3.  言語教育観・言語能力観の変遷
4.  これまで受けた言語教育の振り返り（グループワーク）
5.  これまで受けた言語教育の振り返り（発表・ディスカッション）
6.  テスト評論・テスト理論
7.  言語テスト作成演習
8.  言語テスト作成　発表とディスカッション
9.  3種類の「学び」
10. 社会構成主義的な学び（ディスカッション）
11. 社会構成主義的な学び（振り返り）
12. 言語能力の構成概念とは？（調査結果報告）
13. 言語能力の構成概念とは？（グループによる構成概念図作成）
14. 言語能力の構成概念とは？（発表）
15. 学期のまとめ

授業の方法

講義・ディスカッション・グループワーク・プレゼンテーション等

成績評価方法

授業への参加状況（授業内での提出物・プレゼンテーション等含む）20%，最終レポート80％

教科書

特にありません。必要あれば適宜授業内で指示します。

参考書

柳瀬陽介(2006)『第二言語コミュニケーション力に関する理論的考察―英語教育内容への指針―』溪水社
近藤ブラウン妃美(2012)『日本語教師のための評価入門』くろしお出版

履修上の注意

　この授業に参加するために特別な予備知識は必要ありません。一人一人の学生がすでに持っているものをそれぞれ提示し，話し合いを行う過程において他者から学び，お互いの考えを調整しながら，自分たちなりの新しい概念を形成していくことを目指しています。
　言語形式というより，言語を用いた活動のあり方に関心を寄せる学生にとって有益と考えています。