東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1

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言語態研究演習(写真のイメージ)

  • 科目コード: 08C1603
  • 開講学期: 冬
  • 曜限: 金曜3限
  • 教室: 8号館209
  • 単位数: 2.0
  • 担当教員: 竹峰 義和

授業の目標・概要

Bernd Stiegler, Bilder der Photographie (Suhrkamp, 2006) を精読しながら、写真の黎明期から現代のデジタル・メディア時代にいたるまでにつづられた多種多様なテクストにおいて、写真がどのようなメタファーによって形象化され、イメージ化されてきたのかという問題を、その理論的・メディア論的な含意とともに検証する。扱われるのは、写真家およびその作品(タルボット、ナダール、ロトチェンコ、モホイ=ナジ、マン・レイ、スティーグリッツ、カルティエ=ブレッソン……)、写真メディアをめぐる思弁的考察(ベンヤミン、クラカウアー、バザン、バルト、フーコー、ボードリヤール、ヴィリリオ、ソンタグ、フルッサー、アガンベン……)、写真をめぐる(疑似‐)科学的言説(光学、生理学、解剖学、心理学、認知科学、観相学……)や小説家や詩人たち(エマソン、コナン・ドイル、カフカ、ブレヒト、ユンガー、ベルンハルト……)がのこした写真にまつわる文章など。

授業のキーワード

  • 写真
  • メディア
  • 知覚
  • 記憶
  • 記録
  • 映画
  • テクノロジー
  • メタファー
  • バルト
  • ソンタグ
  • アヴァンギャルド芸術
  • 科学
  • 言説
  • イメージ

授業計画

最初の授業でガイダンスをおこなったのち、受講者に担当個所の希望をとったうえで、1回に1節(3~4頁)ずつ、ゆっくりと読み進めていく。

  1. 等価Äquivalent
  2. アーカイヴArchiv
  3. 図書館Bibliothek
  4. ドッペルゲンガーDoppelgänger
  5. 自動筆記Écriture automatique
  6. 化石Fossilie
  7. 記憶Gedächtnis
  8. 皮膚、脱皮Haut, Häutung
  9. 光文字Licht-Schrift
  10. 汝の死を覚えよ Memento mori
  11. 啓示Offenbarung
  12. 文字Schrift
  13. シミュラークルSimulakrum
  14. 痕跡Spur
  15. 証人Zeuge

授業の方法

演習形式でおこなう。ドイツ語の読解・翻訳トレーニングを兼ねるので、内容だけでなく、構文や訳文についても確認していく。

成績評価方法

授業への貢献度から総合的に評価する。

教科書

Bernd Stiegler: Bilder der Photographie (Suhrkamp, 2006). 希望者にはコピーを配布する。

参考書

授業内に指示する。

履修上の注意

ドイツ語を1年間受講していることを受講の条件とするが、それほど難解なテクストではないので、語学力に自信がない場合も歓迎する。