Bernd Stiegler, Bilder der Photographie (Suhrkamp, 2006) を精読しながら、写真の黎明期から現代のデジタル・メディア時代にいたるまでにつづられた多種多様なテクストにおいて、写真がどのようなメタファーによって形象化され、イメージ化されてきたのかという問題を、その理論的・メディア論的な含意とともに検証する。扱われるのは、写真家およびその作品(タルボット、ナダール、ロトチェンコ、モホイ=ナジ、マン・レイ、スティーグリッツ、カルティエ=ブレッソン……)、写真メディアをめぐる思弁的考察(ベンヤミン、クラカウアー、バザン、バルト、フーコー、ボードリヤール、ヴィリリオ、ソンタグ、フルッサー、アガンベン……)、写真をめぐる(疑似‐)科学的言説(光学、生理学、解剖学、心理学、認知科学、観相学……)や小説家や詩人たち(エマソン、コナン・ドイル、カフカ、ブレヒト、ユンガー、ベルンハルト……)がのこした写真にまつわる文章など。
最初の授業でガイダンスをおこなったのち、受講者に担当個所の希望をとったうえで、1回に1節(3~4頁)ずつ、ゆっくりと読み進めていく。
演習形式でおこなう。ドイツ語の読解・翻訳トレーニングを兼ねるので、内容だけでなく、構文や訳文についても確認していく。
授業への貢献度から総合的に評価する。
Bernd Stiegler: Bilder der Photographie (Suhrkamp, 2006). 希望者にはコピーを配布する。
授業内に指示する。
ドイツ語を1年間受講していることを受講の条件とするが、それほど難解なテクストではないので、語学力に自信がない場合も歓迎する。