東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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言語科学特殊講義(「近代語」の成立とその背景──近代朝鮮を事例に)

  • 科目コード: 08C1528
  • 開講学期: 冬
  • 曜限: 火曜4限
  • 教室: 11号館1109
  • 単位数: 2.0
  • 担当教員: 三ツ井 崇

授業の目標・概要

「近代語」の成立という問題は,その言語内的変化もさることながら,それを成立させた社会的背景もまた重要な分析対象となる。近年,分析の視角はさまざまだが,近代朝鮮における言語と社会に関する研究が活発化になっている。本講義では,朝鮮語の「近代語」の成立がどのようなものであり,またそれが近代朝鮮の政治・社会・文化・思想などの問題とどのように関連していたのかをあわせて考える。具体的には,言語思想,政策・運動/教育,言語接触などの論点に注目したい。

授業のキーワード

  • 朝鮮
  • 近代
  • 朝鮮語
  • 言語
  • 言語政策
  • 言語接触
  • 文学
  • 小説
  • 綴字法
  • 文体
  • ナショナリズム
  • 威信

授業計画

  • 1. イントロダクション
  • 2~3.近代朝鮮における言語・文字ナショナリズムの展開と価値の交錯
  • 4~5.朝鮮語規範化(=近代化)の内実とそれをめぐるダイナミズム
  • 6~7.近代文学の成立・展開と文体
  • 8~9.日本語系語彙の流入とその経路・背景、そして解放後の「国語醇化」問題
  • 10~11.言語教育の歴史的性格─日本語/朝鮮語─
  • 12~13.言語接触の社会史
  • 14.創造/発見される「朝鮮語」・「朝鮮文字」、そして「朝鮮文化」
  • 15.まとめ

授業の方法

講義形式を中心とする。

成績評価方法

平常点(授業への参加度など)と学期末レポート

教科書

プリントを配布する。

参考書

武田幸男編『朝鮮史(新版世界各国史2)』(山川出版社,2000年)
三ツ井崇『朝鮮植民地支配と言語』(明石書店,2010年)
その他、授業中に指示する。

履修上の注意

朝鮮近代史の概説程度の知識があるほうが授業が理解しやすいと思われる。初級程度以上の朝鮮語能力を有するほうが望ましい。